農協等を通じた委託販売。生産者の農家はインボイスを出さなくてよいというよりも、そもそもインボイスの出しようがない ~ インボイス制度 消費税[229]
消費税の記事を掲載します。
今回は
農業協同組合などを通じた農産水産物の委託販売は、組合員はインボイスを出さなくてよいことになっています
を紹介します。
インボイス発行事業者には
国内において商品などの販売などを行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)からの求めに応じてインボイスを交付する義務が課されています
<参考>
→ 「インボイスをください」と言われたら、インボイス発行事業者はインボイスを出さなければなりません
しかしQ:
農業協同組合等を通じた農林水産物の委託販売は、組合員等の適格請求書の交付義務が免除されます。具体的にはどのような取引が対象となりますか?
A:
農業協同組合法に規定する農業協同組合や農事組合法人、水産業協同組合法に規定する水産業協同組合、森林組合法に規定する森林組合及び中小企業等協同組合法に規定する事業協同組合や協同組合連合会の組合員その他の構成員が、農協等に対して、無条件委託方式かつ共同計算方式により販売を委託した、農林水産物の販売(その農林水産物の譲渡を行う者を特定せずに行うものに限ります。)は、適格請求書を交付することが困難な取引として、組合員等から購入者に対する適格請求書の交付義務が免除されます。
次のようなイメージです
無条件委託方式および共同計算方式とは、次のものをいいます
① 無条件委託方式
出荷した農林水産物について、売値、出荷時期、出荷先等の条件を付けずに、その販売を委託すること
② 共同計算方式
一定の期間における農林水産物の譲渡に係る対価の額をその農林水産物の種類、品質、等級その他の区分ごとに平均した価格をもって算出した金額を基礎として精算すること
つまり、生産者が農協に売り方、売値をお任せにする方法ですので、そもそもインボイスの出しようがありません。
一方、農林水産物を購入した事業者は
農協等が作成する一定の書類を保存することが仕入税額控除の要件となります。
(出所:インボイスに関するQ&A 令和4年4月改訂 問37)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
秋の1日、元気にお過ごしくださいね!
[編集後記]
トップ画像は故小林一三氏旧邸の応接間です。
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