災害その他やむを得ない事情を証明した場合、保存要件が不要になります ~ 電子帳簿保存法改正[54]
電子帳簿保存法の電子取引の記事です。
今回は
ただし「保存義務」が免除になるわけではありません、電子データの保存は必要になります
を紹介します。
つまり
電子データの保存をすることができなかったことを証明した場合には、電子取引の取引情報に係る電子データの保存要件を満たさなくても、保存はしてくださいという趣旨です。
保存義務が免除されているものではありません。
したがって、検索機能の確保等の要件を満たせなくても
最低限、電子取引の取引情報に係る電子データを保存しておく必要があり、その電子データを完全に消失してしまっている場合は、保存すべき電磁的データの保存がないこととなります。
たとえば災害などによりデータを保存していたパソコンが壊れた場合
電子データは、紙に比べてその確認が困難となる場面が想定されます。納税者の責めに帰すべき事由がないときには、単に電子データが存在しないことのみをもって、義務違反を問われることはありません。
かりに電子データが消失してしまった場合でも
可能な範囲で合理的な方法(取引の相手先や金融機関へ取引内容を照会するなど)により保存すべき取引情報を復元する必要があります。
災害その他やむを得ない事情が止んだ後に行う電子取引については
電子取引の取引情報に係る電子データについて保存要件を備えた上で保存する必要があります。
一方「災害その他やむを得ない事情」とは、次のようなケースをいいます
① 「災害」とは
震災、風水害、雪害、凍害、落雷、雪崩、がけ崩れ、地滑り、火山の噴火等の天災または火災その他の人為的災害で自己の責任によらないものに基因する災害をいいます。
② 「その他やむを得ない事情」とは
災害に準ずるような状況または当該事業者の責めに帰することができない状況にある事態をいいます。
(出所:「消費税法基本通達 8-1-4 災害その他やむを得ない事情の範囲」)
<参考> 電帳法施行規則 第4条第3項
「3 法第7条に規定する保存義務者が、電子取引を行った場合において、災害その他やむを得ない事情により、同条に規定する財務省令で定めるところに従って当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存をすることができなかったことを証明したときは、第1項の規定にかかわらず、当該電磁的記録の保存をすることができる。ただし、当該事情が生じなかったとした場合において、当該財務省令で定めるところに従って当該電磁的記録の保存をすることができなかったと認められるときは、この限りでない。」
(出所:「電子帳簿保存法一問一答 電子取引関係」 問56)
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(ピーター F.ドラッカー)
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