相続してもこまる「いらない土地」を手放すための解決方法。相続土地国庫帰属法 相続法の改正 ~ 贈与や相続・譲渡など資産税[145]
相続法の改正に関する記事です。
今回は
相続により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(「相続土地国庫帰属法」)について
を紹介します。
新法の施行は令和5年4月27日です。
この法律は
所有者不明土地の発生を抑制するため、相続などにより土地の所有権を取得した相続人が、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とするものです。
土地を相続したものの土地を手放したいと考える人や土地を国に帰属させる制度の利用を希望する方が多くなっている背景から、この新ルールが創設されました。
しかし、すべての土地を国が引き取ることは、管理コストもかかります
一定の要件(詳細は政省令で規定※)を設定し、法務大臣が要件審査することになっています。
※ 8月4日、相続土地国庫帰属法の政令案が公表されています。パブリックコメントの手続に入っています。
利用する場合は国に負担金を支払う必要があります
審査を経て法務大臣の承認を受けた方は、土地の性質に応じた標準的な管理費用を考慮して算出した10年分の土地管理費相当額の負担金(地目、面積、周辺環境等の実情に応じて)を納付します。
現状の国有地の標準的な管理費用(10年分)は、雑種地や原野は面積にかかわらず20万円、市街地の宅地(200㎡)約80万円です。
国庫に帰属した土地は、普通財産として国が管理・処分します
① 農地や森林として利用されている土地は農林水産大臣が管理・処分します。
② ①以外の土地は財務大臣が管理・処分します。
手続きの概要は次のとおりです
相続税法に物納という制度があります。
相続税法でいう物納は、相続税の申告後、金銭で納付することが困難な場合に納税者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として土地などを物納するというものです。
つまり、相続税がかかるほどの遺産があることを前提としています。
相続してもらっても困る「いらない土地」を手放すために相続土地国庫帰属法を利用する場合と相続税申告をする場合が併存するようなケースは、少ないよう思います。
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
夏の1日を元気にお過ごしください!!
[編集後記]
土曜日の「創業者のクラウド会計」または「電子帳簿保存法の改正」はお休みしました。
先週、NHK「ドキュメント72時間」の歴代ベスト10スペシャルが面白くて。
昨日は、オンデマンドで2015年の「横浜オールナイトでとんかつを」と2020年の「青森・下北半島“ワケあり”横丁」を視聴。
会えない人に会えるという新鮮な気持ちになります。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「創業者のクラウド会計」または「電子帳簿保存法の改正」
・火曜日と水曜日は「消費税」
・木曜日と金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」
・土曜日は「創業者のクラウド会計」または「電子帳簿保存法の改正」
・日曜日は「経理・会計」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。