インボイスが始まる日(令和5年10月1日)をまたぐ請求書の記載について~ インボイス制度 消費税[190]
消費税の記事を掲載します。
今回は
登録日前の課税資産の譲渡等に係るものと登録日以後の課税資産の譲渡等に係るものとに区分するなどの対応が必要となります
を紹介します。
たとえば
令和5年10 月1日に適格請求書発行事業者の登録を受ける予定です。自社は売上げの請求書について、毎月15 日締めとしています。
インボイスが開始する令和5年10 月1日をまたぐ令和5年9月6 日から10 月15 日までの期間に係る請求書の記載はどのようにすればよいでしょうか?
インボイス前後の区分対応が必要になります
適格請求書発行事業者には、登録日以後の取引について、相手方(課税事業者に限ります。)の求めに応じ、適格請求書を交付する義務があります。
登録日をまたぐ一定の期間の取引に係る請求書については、登録日以後の課税資産の譲渡等について適格請求書を交付することとなります。
登録日前の課税資産の譲渡等に係るものと登録日以後の課税資産の譲渡等に係るものとに区分するなどの対応が必要となります。
次のようなイメージです
登録日が令和5年10月1日(適格請求書等保存方式の開始日)である場合については
買手において登録日前後の課税仕入れがいずれも仕入税額控除の対象となることから、登録日をまたぐ請求書を適格請求書とするときは、登録日前後の課税資産の譲渡等(令和5年9月16日から30日までの期間と令和5年10月1日から15日までの期間)を区分することなく請求書に記載して交付することが認められます。
売上税額の計算について、適格請求書に令和5年10月1日以後(10月1日から15日までの期間)に係る課税資産の譲渡等の対価の額や税率ごとに区分した消費税額等を記載していない場合
売上税額の「積上げ計算」ができないことから「割戻し計算」を行う必要があります。
一方、売上税額の「積上げ計算」を行う場合は令和5年9月30日以前と令和5年10月1日以後を区分して記載するなどの対応が必要となります。
<参考>
→ 売上税額の税額計算は、割戻し計算が原則。特例は積上げ計算。特例が有利です~ インボイス制度 消費税[154]
この場合、請求書の交付を受けた相手方においては
令和5年9月30日以前の課税仕入れについては区分記載請求書、令和5年10月1日以後の課税仕入れについては適格請求書として取り扱います。
令和5年10月1日以後の課税仕入れについて「積上げ計算」を行う場合など、その区分が必要である場合は、取引事実等に基づき金額を合理的に区分して計算するか、売手に同日以後分の適格請求書の交付を求めます。
<参考>
→ 仕入税額の税額計算は3種類です。「積上げ計算(原則)」「帳簿上での積上げ計算」「割戻し計算」です ~ インボイス制度 消費税[155]
次のようなイメージです
(出所:インボイスに関するQ&A 令和4年4月改訂 問63)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
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