スマートフォンのみで取引をしています。電子取引データ保存の対応はどうすればいいでしょうか?~ 電子帳簿保存法改正[44]
電子帳簿保存法の電子取引の記事です。
今回は
パソコンやプリンタを持っていません。スマートフォンのみで取引を行っている場合、電子取引データの保存はどうすればよいでしょうか?
を紹介します。
スマホによりメールやインターネット上表示された領収書などをダウンロードして電子取引データを保存する場合
検索機能を確保して、「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」を作成し備え付けておくなどの対応が必要です。
電子取引データの保存要件にはプリンタの備付けが含まれていますが?
税務調査などがあった時点において、プリンタがない場合であっても、近くの有料プリンタにより税務職員の求めに応じて速やかに出力するなどの対応ができれば、プリンタを備え付けているものと取り扱って、問題ありません。
スマートフォンで授受した領収書などのデータについては、電子取引の取引情報に該当するため、ルールどおり保存する必要があります。
具体的には、たとえば
スマートフォン内やクラウドに保存したデータに通し番号等を付した上で保存し、スマートフォン内の表計算ソフトアプリで索引簿を作成するなどにより検索機能を確保する必要があります。
また「正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」を作成し備え付けておく必要があります。
電子取引データの保存要件には電子計算機、プログラム、ディスプレイおよびプリンタの備付けも含まれています
保存に用いているスマートフォンがあれば、電子計算機、プログラム、ディスプレイの備付けに係る要件は充足していることになります。
プリンタは基本的には納税地に備え付けておく必要がありますが?
税務調査があった時点においてプリンタを常設していない場合であっても、近くのコンビニなどの有料プリンタなどにより税務職員の求めに応じて速やかに出力するなどの対応ができれば、プリンタを常設していないことのみをもって保存要件違反として取り扱うことはありません。
<参考>
→ 個人事業主や法人のすべての方に対応が必要となる電子取引データの保存方法について ~ 電子帳簿保存法改正[6]
→ 個人事業主が訂正削除の防止に関する事務処理規程を定める場合の対応 ~ 電子帳簿保存法改正[7]
次の場合は検索機能の確保は不要です
① 個人事業者については電子取引が行われた日の属する年の前々年の1月1日から12月31日までの期間の売上高が1,000万円以下の場合
② 法人については電子取引が行われた日の属する事業年度の前々事業年度の売上高が、1,000万円以下の場合
ただし、保存しているデータについて、税務調査の際に、税務職員からのダウンロードの求めに応じることができるようにしている必要があります。
<参考>
→ データの電磁的記録保存の際の検索機能とその要否について~ 電子帳簿保存法改正[10]
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(ピーター F.ドラッカー)
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