ヘルスケアサービス事業は単品のサービスとしての差別化、収益化が困難。外部との連携が重要な鍵。
日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門マネジャーである志水武史氏のお話をお伝えします。
7回目です。課題に対する対策や解決の方向性を紹介します。
大阪健康寿命延伸産業創出プラットホーム(略称「OKJP」)の「新規ビジネスプラン創出研究会」に参加しました。そこで同氏が示された点で、私が重要だと考えたことを以下に述べます。
ヘルスケアサービス創出が難しい理由の5つめの課題は
単品のサービスとしての差別化、収益化が困難です。課題解消に対しては、外部事業者との商品・サービスとの連携を図ることが重要な鍵になります
このため経済産業省が「健康寿命延伸産業創出推進事業」の中で、新事業創出の取り組みとして「地域におけるヘルスケアビジネス実証」を進めています。
① 新事業創出の取り組み
「地域の経済活性化」と「あるべき医療費等の実現」を目指し、(ⅰ)高齢化に伴う地域の多様な健康ニーズの充足、(ⅱ) 農業・観光等の地域産業やスポーツ関連産業との連携を促進することで新事業創出の取り組みを進めています。
②「地域版次世代ヘルスケア産業協議会」の設置
地域関係者(医療・介護機関、自治体、大学、民間事業者等)が集まり、地域課題等を共有するとともに、それらの解決方法や新たな事業創出を検討する場として、「地域版次世代ヘルスケア産業協議会」の設置を進めています。
同協議会設置に際しては、特に地域の医師会を構成員として入れることとしています。一部の協議会では、地域医師会等の連携が進んでいます。
大阪府であれば、私が参加しました「大阪健康寿命延伸創出プラットホーム(事務局:(公財)大阪市都市型産業振興センター)」が、大阪における地域版次世代ヘルスケア産業協議会にあたります。
③ 実証事業の実施
上記の取り組みを活用し、地域において医療・介護関係者と地域事業者が連携してサービス提供を行うモデルの確立に向けた実証事業を実施しています。
ただし、具体的なヘルスケアサービス事業創出プロジェクト、ヘルスケア産業創出までつなげているところはまだ少数です。
国(経済産業省)の次世代ヘルスケア産業協議会が司令塔となって、新たなヘルスケア産業の創出を含めて、ヘルスケア産業政策に取り組んでいます。
そういう意味では、今回の志水氏の講演もその一環なんですね。
厚生労働省が取り組んでいる「介護保険外事業」と経済産業省が創出に取り組んでいる「ヘルスケアサービス事業」とは相違します。
厚生労働省の介護保険外事業は、医療・介護保険サービスから派生する事業であり、経済産業省のヘルスケアサービス事業は、フィットネスや美容まで含めたかなり幅広いサービス事業だと思います
例えば、「地域包括ケアシステム」を囲む連携の概念が、厚労省のそれと相違します。
火・木曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」として、記事を紹介しています。
「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしています。
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保険料と税で運営されている社会保険制度としての制度ビジネスです。3年ごとに改定される制度変更には、しっかりと対応することをおすすめします。
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制度変更により、収入が落ち込んで事業縮小や廃業を余儀なくされるケースを避けるために、制度改定や計数を予測して事業経営に活用することが大切だと思います。
月・水・金は次のとおり税務の記事を紹介しています。
月曜日は「マイホームの税金の手引き」
水曜日は「同族会社とその役員との取引」
金曜日は「いざそのときにあわてないための相続税や贈与税に関する知識」
日曜日は「2018年3月申告用の所得税確定申告の手引き」