不動産登記簿に名義人の死亡情報を紐づける制度が新設されます。不動産登記法の改正~ 贈与や相続・譲渡など資産税[136]
資産税に関する記事です。
今回は
「所有権の登記名義人の死亡情報についての符号によって表示する制度」の新設
を紹介します。
令和6年4月1日から、所有者不明土地の発生予防のため相続登記の義務化と相続人申告登記が新設されます。そのため不動産登記法が改正されます。
<参考>
→ 相続登記がされていない所有者不明土地に対応する不動産登記法の改正
しかし、まだ次のような課題があります
① 不動産の登記名義人が死亡しても、申請に基づいて相続登記がされない限り、登記名義人の死亡は不動産登記簿に公示されません。登記から登記名義人の死亡の有無を確認することができません。
② 民間事業や公共事業の計画段階で、死亡の有無の確認が可能になれば、所有者の特定やその後の交渉に手間やコストがかかる土地を避けることができます。事業用地の選定を円滑にするため、登記名義人の死亡を登記に反映させることにメリットがあります。
死亡情報についての符号の表示とは
相続に関する不動産登記情報の更新を図るため、登記官が他の公的機関(住基ネットなど)から取得した死亡情報に基づいて不動産登記に死亡の事実を符号によって表示する制度を新設します。
つまり、登記を見ればその不動産の所有権の登記名義人の死亡の事実を確認することが可能となります。
さらに、住基ネット以外の情報源(固定資産課税台帳等)からも死亡情報の把握の端緒となる情報を取得する予定だそうです。
<参考>
Q:自宅を所有していた父親が死亡しましたが、固定資産税どうなりますか?
A:土地・家屋の所有者が死亡した場合であっても、その年の固定資産税課税台帳上の所有者は死亡者のままです。ただし、納税義務は相続人が継承することになります。
① 翌年以降について、12月末日までに相続登記を行った場合は
登記簿上の所有者が納税義務者となります。
② 12月末日までに相続登記を行わなかった場合は
現に土地・家屋を所有している人(通常は相続権のある方)が納税義務者となります。
相続登記が済むまでの間は、相続人代表者など記載する「固定資産税等の納税に関する届出書」などを市町村に提出することになります。
たとえば、吹田市の場合は、死亡届を提出すると、しばらくすると市役所から「固定資産税等の納税に関する届出書」から送付されます。
新制度は令和8年4月までに施行となっています。
(出所:法務省民事局HP 令和3年不動産登記法改正)
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