「住所変更登記の申請義務化」相続登記がされない所有者不明土地について。不動産登記法の改正 ~ 贈与や相続・譲渡など資産税[126]
資産税に関する記事です。
今回は
不動産登記法の改正「住所変更登記の申請義務化」について
を紹介します。
相続登記がされないことによる所有者不明土地が発生しています
所有者不明土地の割合は22% で、これは九州ほどの面積に匹敵します。
所有者不明土地とは、 次の土地のことをいいます。
① 不動産登記簿により所有者がただちに判明しない土地
② 所有者が判明してもその所在が不明で連絡がつかない土地
所有者不明土地が増加している理由は次のとおりです
① 相続登記の申請は義務ではありません。申請しなくても不利益を被ることはないから。
② 人口減少・高齢化の進展により、地方で土地の所有意識が希薄化、土地を利用したいというニーズが低下しています。(つまり土地の負動産化)
③ 遺産分割をしないまま相続が繰り返されると、土地の共有者がねずみ算式に増加します。
こうしたことを受けて
所有者不明土地増加を防ぎ、登記制度の見直しが行われます。不動産登記法の改正です
見直しは次の二つです。
1 相続登記、住所変更登記の申請義務化(相続登記義務化R6.4.1から)
2 相続登記、住所変更登記の手続の簡素化
今回は「住所変更登記の申請義務化」を紹介します。
現状は次の理由から住所変更未登記が増えています
■ 現在は、住所変更登記は義務ではありません。
■ 個人・法人を問わず、転居・本店移転のたびに登記するのには負担を感じ、放置されがちです。
対応策は次の2つです
1 所有権の登記名義人に対し、住所の変更日から2年以内にその変更登記の申請をすることを義務付けます。正当な理由がない申請漏れには過料の罰則あります。
2 市町村から取得した情報に基づき、登記官が職権的に変更登記をします。転居や本店移転などに伴う住所の変更が簡便な手続で登記されます。
個人のケース
① 登記申請の際には、氏名・住所のほか、生年月日の「検索用情報」の申出を行います。
② 登記官が、検索用情報を用いて住民基本台帳ネットワークシステムに対して照会し、所有権の登記名義人の氏名・住所などの異動情報を取得します。
③ 登記官が、取得した情報に基づき、登記名義人に住所などの変更の登記をすることについて確認をとった上で、変更の登記をします。登録免許税は非課税です。
法人のケース
① 法人が所有権の登記名義人となっている不動産について、法人番号を登記事項に追加します。
② 商業・法人登記システムから不動産登記システムに対し、名称や住所を変更した法人の情報を通知します。
③ 取得した情報に基づき、登記官が変更の登記をします。登録免許税は非課税です。
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
向暑の1日。1日を朗らかにお過ごしください!
[編集後記]
トップ画像は「CAGOM(カゴム)」のお二人です。
薬膳の「季節のお弁当や」さんです。
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