freeeを使って「スキャナ保存」取引先から受領した紙の取引書類を電子保存する場合の手順 ~ 電子帳簿保存法改正[25]
今回は
freeeの場合、取引先から受領した紙の請求書や経費精算のレシートは、ファイルボックスの電子帳簿保存機能を利用して保存します
を紹介します。
帳簿や取引書類を電子保存したい場合、次の4つの区分に応じてfreee会計に保存します。
電子保存には
A 電子帳簿保存
B 決算書・自社発行受発注書類の控え保存
C スキャナ保存
D 電子取引データ保存
があります。
今回はCの「スキャナ保存」を具体的にみていきます
取引先から受領した紙の取引書類を電子保存することです。
紙で受領した取引書類、たとえば、紙の領収書、請求書、発注書などです。
取引先から受領したこれらの紙の請求書や経費精算のレシートは、freeeではファイルボックスの電子帳簿保存機能を利用して保存します。
なお、取引先から受領した電子ファイルも、ファイルボックスに保存します。(電子帳簿保存法の保存要件を満たします。)
freee会計では、今後、スキャン保存機能は改修予定だそうです。
ファイルボックスに取引に関する書類や電子ファイルを保存する場合
紙をスキャンしたデータも、PDFファイル等の電子が原本のデータもどちらも保存可能です。
書類は「重要書類」「一般書類」に分類されます。
① 重要書類
資金や物の流れに直結・連動する書類です。受領から保存までの期間制限(約70日)があります。
たとえば、契約書、受領書、納品書、請求書、領収書などです。
② 一般書類
「重要書類」以外の書類です。保存までの期間制限が法令上は課されていません。適時に保存することになります。
たとえば、見積書、発注書、検収書などです。
エビデンスとして電子データを保存する場合、対象の書類を決めて、 社内ルールに記載することになります。
たとえば請求書および領収書は電子データで保存し契約書は紙で保存する場合
先に、社内ルールで請求書と領収書を指定します。
次に、次のような保存方法の手順になります
① ファイルボックスの電子帳簿保存機能をONにします。
② ファイルボックスへの保存対象(紙 またはデータ)を準備します。
③ 保存対象をファイルボックスへアップロードします。
ⅰ Web版freee会計の場合
保存対象をスキャン等でデータ化した上で、次のいずれかの方法を利用します。
・ ファイルボックス画面から直接ファイルをアップロードします。
・ Dropboxと連携しファイルをインポートします。
・ メールでfreeeにファイルを送ります。
ⅱ アプリ版freee会計の場合
次のうちいずれかの方法を利用することができます。
・ スマートフォン等のカメラで保存対象を撮影します。
・ スマートフォン等に保存されている画像をアップロードします。
・ ScanSnapから読み込みます(iOSのみ)。
④ アップロードしたファイルが、ファイルボックスに保存できたことを確認した後に、紙原本を廃棄することができます。
⑤ アップロードした取引書類から、取引登録を行います。
取引登録を行うことで、仕訳帳から取引先、日付、金額を検索できるようになります。
また、仕訳とは別にファイル(帳票)の情報として取引先、日付、金額等を管理する場合は、ファイルボックスのファイル詳細画面で、情報を記録します。
紙の取引書類のアップロード時の注意点は次のとおりです
① 紙原本廃棄前に確認が必要です
紙原本廃棄前には、ファイルボックスにアップロードした電子データが紙原本と同一であり、紙の折れやブレがなく可視性があることを確認します。
② 「重要書類」の電子データ保存期間制限について
重要書類に該当する場合は、法令上 受領から約70日以内に、電子データの保存を行う必要があります。
③ アップロードした書類の種類について
ファイルボックスへのアップロード時に選択する「書類の種類」は次の3種類の中からいずれかを選択することになります。機能の区別はありません。
・ 領収書・請求書
・ 契約書
・ その他
④ アップロード以後の訂正・削除履歴について
書類アップロード以後に行われた訂正・削除履歴はすべて記録されます。
⑤ 一度アップロードしたファイルの差し替えについて
撮影したファイルが見切れていたなど、やむを得ない事情でファイルをアップロードし直す場合には、ファイルボックス上で「第二版」以降としてファイルを差し替えます。
このとき、アップロードし直す理由をメモ欄に記録します。
⑥ 関連する複数のファイルの取り扱いについて
紙の原本が2枚ある場合(例:取引先から金額を訂正した請求書が届いた場合など)は、「第二版」ではなく、2枚アップロードし1枚をファイルボックス上で削除します。このとき、削除する理由をメモ欄に記録します。
⑦ アップロードファイルの記録事項編集について
アップロードファイルは、必要に応じて解像度や用紙サイズなどの記録事項の入力・編集が必要となります。
ⅰ 解像度・画素数等の記録
電帳法上、保存するファイルの解像度は200dpi以上で保存することが求められています。
ⅱ 書類サイズの記録
電帳法上、A4判サイズを超えるサイズの書類は、書類サイズを記録することが求められています。通常サイズのレシートやA4判サイズの領収書等であれば書類サイズの記録は不要です。
また、証憑の受領者以外が電子化を行う場合には、A4判サイズ以下であっても書類サイズの記録が必要です。
ⅲ 記録事項の編集期間
解像度等の入力・書類サイズの選択は、ファイルがアップロードされてから70日(税法上の最長の処理期間)を過ぎると編集できなくなります。
こうしてみると、スキャン保存を適切に運用管理するには慎重な対応が必要になります。
(出所:freeeヘルプセンターマニュアル)
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。
(ピーター F.ドラッカー)
春の1日、元気にお過ごしくださいね。
[編集後記]
月曜日の「創業者のクラウド会計」はお休みしました。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「創業者のクラウド会計」
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