電子帳簿保存法の保存要件の判定チェックシートについて ~ 電子帳簿保存法改正[22]
今回は
電子帳簿保存法の保存要件に適合しているかどうか?をチェックシートで判定します
を紹介します。
国税庁が判定チェックシートを作成しています。
このチェックシートを使って、保存要件の適合性を確認することができます。
チェックシートは次の4つに分かれています
A 電子帳簿
B 電子書類
C スキャナ保存
D 電子取引
A 電子帳簿の保存要件の確認事項は次のとおりです
1 適用状況について
最初の記録段階から一貫して電磁的記録により作成・保存していること
2 システムの関係書類の備え付けについて
① システムの概要、システムの関連書類を備え付けていること
② 記載項目を最初に入力したシステムからすべての操作説明書を備え付けていること
③ システム処理を記帳代行業者に委託しているときは、委託契約書を構え付けていること
④ 入出力処理の手順、日程および担当部署ならびに電磁的記録の保存等の手順および担当部署などを明らかにした書類を構え付けていること
3 データの検索、表示、出力機能の確保について
① ディスプレイおよびプリンタならびに作説明書を備え付けて、整然とした形式および明瞭な状態で速やかに出力できること
② 質問検査権に基づく帳簿データのダウンロードの求めに応じていること
「優良な電子帳簿」としての要件(様式7の個別確認項目の2から4までの内容)をすべてみたすこと
B 電子書類の保存要件の確認事項は次のとおりです
1 適用状況について(Aに同じ)
2 システムの関係書類の備え付けについて(Aに同じ)
3 データの検索、表示、出力機能の確保について
① ディスプレイおよびプリンタならびに作説明書を備え付けて、整然とした形式および明瞭な状態で速やかに出力できること
② 質問検査権に基づく帳簿データのダウンロードの求めに応じていること
または
次のいずれも満たすこと
ⅰ 検索項目について記録事項のないデータを検索(Null値(空白)を対象として検索)できること
ⅱ 書類の検索の条件に取引年月日その他の日付を設定して検索できること
ⅲ 事業年度ごとに範囲を指定して条件設定ができ、探し出された記録事項のみが画面および書面に出力されること
C スキャナ保存の要件の確認事項は次のとおりです
1 保存状況の確認について
① 要件不適合のデータを含めて法定期間分のデータが正しく保存されていること
② データと紙の保存が混在することなく適切に保存されている(電磁的記録を開始した日および電磁的記録による保存を取りやめた日が明確になっている)こと
2 訂正・削除・履歴の確保について
ヴァージョン管理等により、訂正または削除の履歴およびその内容のすべてを確認できること
3 システムの関係書類の備え付けについて
① システムの概要、システム開発の関連書類を備え付けている(市販のプログラムを使用する場合を除く)こと
② 記載項目を最初に入力したシステムからの全ての操作説明書を備え付けていること
4 データの検索、表示、出力機能の確保について
① 検索項目について記録事項のないデータを検索(Null値(空白)を対象として検索)できること
② 書類の検索の条件に取引年月日、取引金額および取引先名称を設定して検索できること
③ 質問検査権に基づく帳簿データのダウンロードの求めに応じていること
または
次の要件をみたすこと
ⅰ 事業年度ごとに範囲を指定して条件設定ができ、探し出された記録事項のみが画面および書面に出力されること
ⅱ 2以上の任意の検索項目を組み合わせて条件設定ができ、探し出された記録事項のみが画面および書面に出力されること
④ カラーディスプレイおよびカラープリンタならびに操作説明書を備え付けて、整然とした形式および明瞭な(訂正や修正液の痕が確認できる)状態で速やかに出力できること。ただし、対象書類がカラーディスプレイおよびカラープリンタはモノクロでも可。
5 入力に関する要件について
① 裏面の記載の有無、一連の書類をひとつの入力単位で入力する等の入力要件を遵守していること
② 入力者または監督者情報の確認およびタイムスタンプの一括検証ができること
③ スキャンした書類の記録事項と書類に関連する国税関係帳簿の記録事項との間で相互にその関連性を確認することができること
④ 入力期間制限に制限に応じた次の要件を遵守していること
ⅰ 早期入力(7営業日以内)
ⅱ 業務処理サイクル対応入力方式(最長2ケ月とおおむね7営業日以内)+電磁的記録の作成または受領から入力までの各事務の処理規程を定め備え付けていること
ⅲ 適時入力方式(一般書類に限る)電磁的記録の作成および保存に関する事務手続を明らかにした書類を備え付けていること
D 電子取引の保存要件の確認事項は次のとおりです
1 真実性の確保について
次の4つのうちいずれかを行うこと
① タイムスタンプが付された後、取引情報が授受されていること
② 授受後遅滞なくタイムスタンプを付すこと
③ データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステムまたは訂正削除ができないシステムを利用していること
④ 訂正削除の防止に関する事務処理規程を備付けていること
2 可視性の確保について
① ディスプレイおよびプリンタならびに操作説明書を備え付けて、整然とした形式および明瞭な状態で速やかに出力できること
② システムの概要を記載した書類を備え付けていること(市販のプログラムを使用する場合を除く)
3 検索性の確保について
① 検索要件不要事業者(基準期間の売上が1,000万円以下)であれば不要
② ただし、①でない場合は次の要件を満たすこと
ⅰ 検索項目について記録事項のないデータを検索(Null値(空白)を対象として検索)できること
ⅱ 電子取引データの検索の条件に取引年月日その他の日付、取引金額および取引先名称を設定して検索できること
ⅲ 質問検査権に基づく電子取引データのダウンロードの求めに応じていること
または
次のアとイのいずれも満たすこと
ア 事業年度ごとに範囲を指定して条件設定ができ、探し出された記録事項のみ が画面および書面に出力されること
イ 2以上の任意の検索項目を組み合わせて条件設定ができること
以上のように、電子帳簿、電子書類、スキャナ保存、電子取引の面から保存要件を確認していきます。
(出所:週刊税務通信22/04/25)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する」
(ピーター F.ドラッカー)
春の1日を元気にお過ごしください。
[編集後記]
土曜日の「創業者のクラウド会計」はお休みしました。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「創業者のクラウド会計」
・火曜日は「消費税」
・水曜日は「個人の税金」
・木曜日と金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」
・土曜日は「創業者のクラウド会計」
・日曜日は「経理・会計」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。