「65万円の青色申告特別控除」と優良な電子帳簿保存との関係について ~ 電子帳簿保存法改正[18]
今回は
優良な電子帳簿保存ではなくても、電子申告すれば青色申告特別控除(65万円)可能です
を紹介します。
青色申告者に対して特典の一つが青色申告特別控除です。所得金額から、①10万円、②55万円、③65万円を控除するというものです。
控除は3種類です。
このうち65万円控除の要件と優良な電子帳簿保存との関係を整理します。
65万円の青色申告特別控除の適用要件のルールは次のようになっています
1 55万円の青色申告特別控除の要件※に該当していること。
2 次のどちらかに該当していること。
イ その年分の事業に係る仕訳帳および総勘定元帳について、電子帳簿保存を行っていること。
ロ その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表および損益計算書等の提出を、確定申告書の提出期限までにe-Tax(国税電子申告・納税システム)を使用して行うこと。(電子申告のことです。)
<※>55万円の控除を受けるための要件は次のとおりです
① 不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営んでいること。
② 正規の簿記の原則(複式簿記)により記帳していること。
③ 貸借対照表および損益計算書を確定申告書に添付し期限内申告(3月15日)すること。
ただし、要件のうち「イ」を採用している場合は
令和4年分以後の青色申告特別控除(65万円)の適用を受けるためには、その年分の事業における仕訳帳および総勘定元帳について優良な電子帳簿の要件を満たして電子データによる備付けおよび保存を行い、一定の事項を記載した届出書を提出する必要があります。
なお、既に電子帳簿保存の要件を満たして青色申告特別控除(65万円)の適用を受けていた事業者が、令和4年分以後も引き続きその要件を満たしている場合には、届出書を提出する必要はありません。
(出所:国税庁 タックスアンサー No.2072 青色申告特別控除)
一方、要件のうち「ロ」を採用している場合は
つまり、電子申告する場合は、優良な電子帳簿保存とは関係なく、65万円の青色申告特別控除が可能です。
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(ピーター F.ドラッカー)
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[編集後記]
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