子どもがいない夫婦の相続はどうなりますか?夫の兄弟姉妹が相続する権利を主張!
先週の金曜は子どもがいる女性が再婚した場合の相続を紹介しました。今回はもめやすい家族の形態として、
「子どもがいない夫婦の相続」を考えたいと思います。
下図に子どものいない夫婦の具体的な例を記載しました。
夫に万が一のことがあった場合、子どもがなく、夫のご両親もすでに亡くなっていたときはお兄さん、お姉さんにも夫の財産の8分の1を相続する権利があります。
その際に、兄・姉から「財産はいらない」と言われれば、問題はありません。(ただし、あとあと遺産分割協議書に兄・姉の実印等が必要になります。)
しかし、兄・姉が「自分たちがもらう権利がある」と相続の権利を主張すると、困ったことになります。
子どものいない夫婦の場合、亡くなった夫の兄弟姉妹に4分の1の法定相続分があります。
上図でいいますと、兄・姉は法定相続分1/4の半分ずつ、8分の1ずつは遺産をもらう権利があります。(こどものいない夫婦は、兄弟姉妹が相続人の「第3順位」となります)
このケースの法定相続人と法定相続分は次のとおりです。
妻 … 3/4
兄 … 1/4×1/2=1/8
姉 … 1/4×1/2=1/8
さらに、大変というか複雑になりますのは、例えば、夫よりも先に兄が亡くなっていた場合には、兄のこどもが相続人になります。
この場合の相続対策としては「遺言書を作成する」です。
財産をすべて妻がもらえる(「全て妻の〇〇子に残す」)遺言書を、夫が生前に作成する方法です。遺言書を作成しておけば夫が万が一の場合でも、兄・姉の承諾なしですべての遺産を妻が相続できます。
兄弟姉妹に遺留分(法定相続人最低保証されている遺産をもらう権利)はありませんので、先のような権利の主張はできません。
子どもがいない夫婦の相続の考え方は次のとおりです。参考にしてください。
① 配偶者は常に相続人になります。
② 被相続人の親が存命している場合は、配偶者と被相続人の親が共同相続人になります。
③ 被相続人の親がいない場合には、配偶者と被相続人の兄弟姉妹が共同相続人になります。
④ 兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合には、その子どもが共同相続人になります。
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・「子どもがいる女性が再婚した場合の相続を考えます。その子どもの相続する権利はどうなりますか?」はこちら(9/15)
・「死亡前3年以内の贈与財産は、相続財産として贈与時の価額で課税対象になります」はこちら(9/8)
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