井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2017.09.19.Tue | 介護事業

科学的介護を実現するため「介護データを収集し、ビッグデータとして活用」が必要です。

5日(火)に「保健医療データプラットフォームの2020年からの本格稼働」をお伝えしました。

これは、未来投資会議の「未来投資戦略2017」および厚生労働省から本年4月に発表された「データヘルス改革(ICT・AI等を活用した健康・医療・介護のパラダイムシフト)」からおつたえしたものです。

 

この中で

健康・医療・介護分野におけるICT活用のねらいは

「技術革新を活用し、健康管理と病気・介護予防、自立支援に軸足を置いた、新しい健康・医療・介護システムを構築」を図ることです。

 

そのためには「データ利活用基盤の構築」が必要となります。

具体的には、診療・介護記録やリハビリデータ、要介護認定情報等を収集する「保健医療データプラットフォーム」の整備に取り組むことが必要となっています。

 

しかし、医療分野や介護分野の専門的な知識を持たない門外漢の私にとって未来投資会議の「未来投資戦略2017」や「データヘルス改革(ICT・AI等を活用した健康・医療・介護のパラダイムシフト)」を読んでも、いまひとつ分からないことがあります。

 

「何故、医療や介護にビッグデータが必要なのか?」「ビッグデータが何故パラダイムシフトを起こすのか?」(単なる勉強不足を棚に上げていますが)

 

これらの資料を読んでも「利用者が受ける介護や患者が受ける医療が、具体的にどう変わるのか?」が見えてこないです。

医療や介護やITの専門家が作成されていますから、資料は難しい。

 

ググって見ると分かりやすい事例がありましたので、それを紹介します。

東京大学先端科学技術研究センター特任教授稲田修一氏の説明です。

(日経デジタルヘルス14/05/23の増田克善氏の記事)

 

・ビッグデータを活用して健康管理・医療を改革する新たな取り組み例として、アンジェリーナ・ジョリーの乳がん予防のための乳房切除・再建手術などがあります。遺伝子に関する医療ビッグデータによる医療ビジネスの革新が始まっています。

 

・これは、これから起こる医療革命の本質を表すと思っています。遺伝子検査と遺伝子変異の影響に関する医療データの蓄積により、病気になる確率がわかる時代になります。病気になる前に予防するという選択肢を選べる時代になります。

 

・健康管理・医療ビッグデータ活用の本質は、研究開発の領域が疾病の解明から健康寿命を延ばすことを目的に健常人を対象とした生活習慣と疾病の関係性分析その予防・早期治療へシフトします。

・データの大量蓄積・分析により、カスタマイズした治療や診断を可能にする一人ひとりに最適なテーラーメイド医療の実現につながります。

 

・一方で、医療行為のデータを収集・蓄積し、分析することにより、医療診断の正確性、治療の適切性など医療の品質評価・改善が見込め、治療法のベストプラクティスの早期発見と改善が進みます。

 

稲田氏は医療分野を中心に説明されていますが、「介護分野でもビッグデータを活用して、健常者や介護認定者を対象として、生活習慣と要介護状態の関係性分析、その予防・介入や支援の対応を分析し、利用者の個人差に配慮した各個人に最適な介護や医療の提供を図ることができる」と、私は理解しました。

 

そうした背景から、OKJPで卯津羅氏は「公的介護保険外サービスの中で、新しいサービス生み出す真の競争相手は、今後は介護業界という狭い産業分野ではなく、ビッグデータの活用などの事業に取り組んでいる先端企業のグーグルやトヨタなどになる。」という底意を紹介されたのでしょう。

 

どの業界でも、どの職業でも、変化はやってきます。スマートフォンが生まれて10年、人々の日常生活が変化しました。

「科学的介護を実現するため、介護データを収集し、ビッグデータとして」し、それをもとに介護サービスを提供する時代は、必ずやってくると思います。

そのための準備と心構えを、一緒に考えて整えておきましょう。

 

火・木・土曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」として、記事を紹介しています。

 

「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしていきます。

 

このうち、土曜日は次のとおり「介護事業者のための会計ハンドブック」を連載しています。

・「利益がないと借金は返済できません!」はこちら(9/16)

・「『キャッシュがない?税金が支払えない!』とならないように!手元資金と利益は一致しません」はこちら(9/9)

・「現金回収と支払の「時間差」で起きる「黒字倒産」。介護事業では資金繰りが大切です」はこちら(9/2)

 

最近の火・木曜日の「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」の記事は次のとおりです。

・「その3公的介護保険外サービスのポイントは土着性!【卯津羅泰生氏】」はこちら(9/14)

・「その2地域に根差した公的介護保険外サービスのポイント」【卯津羅泰生氏】はこちら(9/12)

・「地域に根差した公的介護保険外サービスのポイント」【卯津羅泰生氏】はこちら(9/7)

 

最近よく読まれている記事

・「平成30年度の介護報酬改定まで、あと4か月およびそのスケジュール感」はこちら(8/17)

介護事業は社会課題解決事業です。

 

保険料と税で運営されている社会保険制度としての制度ビジネスです。3年ごとに改定される制度変更には、しっかりと対応することをおすすめします。

 

課題をお持ちの開業を準備されている方や準備を検討されている方は、是非、ご相談ください。一緒にベストな解決策を検討しましょう。

 

制度変更により、大きく収入が落ち込んで事業縮小や廃業を余儀なくされるケースを避けるために、制度改定や会計数字を予測して、事業経営に活用することが大切だと思います。

 

月・水・金は次のとおり税務の記事を紹介しています。

月曜日は「マイホームの税金の手引き」

水曜日は「会社で事業をした場合(法人成り)のメリット」

金曜日は「いざそのときにあわてないための相続税や贈与税に関する知識」

 

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