法人の設立後、自動車について残クレ(残価設定ローン)を選択した場合 ~ 法人節税策の基礎知識[94]
今回は
法人の設立後、自動車について残価設定ローンを選択した場合
を紹介します。
残価設定ローンとは
残価設定ローンの残価とは、「購入した自動車を数年後に下取りとして出した場合の価値」、つまり下取り価格のことです。
残価設定ローンでは、借入の返済期間に応じて設定した残価を、ローンの最終回の返済に据え置きます。そして、残価を除いた残りの金額を契約月数で分割して返済します。
たとえば、具体的には
300万円の車を60回払いの残価設定ローンで購入した場合、5年後の残価が30万円だったときは、その30万円は60回目の返済に据え置かれます。
59回目までは残りの270万円を分割して月々返していきます。
最終回(60回目)の返済で、据え置かれていた残価の30万円を精算します。
つまり、ローンとして借り入れる金額から残価を差し引くのではなく、残価はあくまで最終回の返済に据え置かれる仕組みです。
残価30万円の精算方法は3つです
1 自動車を返却する(車を販売店に返却することで、残価を支払わずに精算できる方法です)。
2 同じ販売店で新しい車に乗り換える。
3 乗っている車を一括(または分割払い)で買い取る(残価を支払って、そのまま車を買い取る方法)。
自動車を残価設定型クレジット(残クレ)で購入した経理処理
処理のポイントは、残価金額部分について、購入時の仕訳で考慮することはないということです。
たとえば
自動車3,000,000円を残価設定型クレジットで購入。
クレジット最終回の残価は300,000円。
自動車の取得代金2,700,000円のうち、自動車税は20,000円、自動車取得税は30,000円、
自動車重量税は30,000円、自賠責保険料は20,000円、登録代行手数料は50,000円、
自動車リサイクル預託金は10,000円だったときは、次のようになります。
クレジット終了時(最終回)に、残価300,000円を支払い、自動車を買い取った場合の仕訳は次のようになります
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
冬の1日を朗らかににお過ごしください。
【編集後記】
月曜日の「創業者のクラウド会計」はお休みしました。
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