その3「公的介護保険外サービスのポイントは土着性!」【卯津羅泰生(うずらやすお)氏】
大阪健康寿命延伸産業創出プラットホーム(略称「OKJP」)の「新規ビジネスプラン創出研究会(介護保険外サービス分野)」の2回目に参加しました。
12日に続き、3回目になります。超高齢社会健康・医療・くらし研究所所長、よどきり医療と介護のまちづくり株式会社の部長である卯津羅泰生氏のお話をお伝えします。
Q 公的介護保険外サービスのビジネス組み立てに何が必要ですか?
キーワードは次のとおりです。
「単独型か連携型?」「収益モデルは?」「サービス提供人材や人材教育は?」「Socitey5.0?」
その中で、今後、未来投資会議※1における「Society5.0※2の戦略分野」にある「健康寿命の延伸」が重要なキーワードになります。
※1将来の経済成長に資する分野における投資を官民が連携して進め、未来への投資の拡大に向けた成長戦略と構造改革の加速化を図るための司令塔として開催される会議。内閣総理大臣を議長とします。
※2 人類がこれまで歩んできた「狩猟」「農耕」「工業」「情報」に次ぐ第5の新たな社会を、技術革新によって生み出すというキャッチフレーズで、人工知能(AI)、莫大な情報を分析して傾向を見いだすビッグデータ解析、ロボット、材料など。これらの開発などに研究費や人材をつぎ込み、技術を組み合わせて新たな製品やサービスを生み出すというものです。
Q 公的介護保険外サービスの「収益モデル・イノベーション」はどういうところから?
① 単純なサービス提供モデルから〝複合収益型サービス提供モデル〟を考えます。自社単独型から連携型を検討します。
② 地域性をきちっと見極めて、全国展開ではなく土着型を目指します。
重要な点は必要とされる公的介護保険外サービスは、かなり強い地域性(地方型、都市型など)を持ちます。
全国的に展開できる共通の汎用型のサービスは、容易ではないようです。また、サービスは自分なりの仮説を立てたうえで、試行錯誤で経験を蓄積し、モデルを構築していく取り組みが必要になります。
Q 競合相手は、団塊世代の利益度外視ボランティアになるのでしょうか?
競争相手というよりも、生きがいづくりと町のためなら利益度外視で貢献される団塊世代のボランティアの皆さんとも、連携して公的介護保険外サービスに取り組みことが大切なことです。
3回にわたって、卯津羅泰生氏のお話を紹介しました。気づかされましたのは、これからの社会・経済を国・民間のトップがどのようにデザインしていこうか?というビジョンを知ることは不可欠だと思います。
また、そのビジョンが将来100%の現実にならないとしても、そのプロセスにおいてそのビジョンを実現していこうという施策が実施されます。
介護・医療事業の将来を考えるうえで、それらの施策を踏まえ、意図や趣旨を理解しておくのは必須であり、施策にあわせた事業への準備しておくことは大切だと思います。
介護保険法の改正に比べられないほど、税の世界においては、毎年、膨大な税制改正が行われます。改正へのキャッチアッフは,税理士としてはmust(マスト)業務です。モデル的には同じ制度ビジネスです。
火・木・土曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」として、記事を紹介しています。
「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしていきます。
最近の「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」の記事は次のとおりです。
このうち、土曜日は次のとおり〝介護事業者のための会計ハンドブック〟を連載しています。
・「『キャッシュがない?税金が支払えない!』とならないように!手元資金と利益は一致しません。」はこちら(9/9)
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介護事業は社会課題解決事業です。
保険料と税で運営されている社会保険制度としての制度ビジネスです。3年ごとに改定される制度変更には、しっかりと対応することをおすすめします。
課題をお持ちの開業を準備されている方や準備を検討されている方は、是非、ご相談ください。一緒にベストな解決策を検討しましょう。
制度変更により、大きく収入が落ち込んで事業縮小や廃業を余儀なくされるケースを避けるために、制度改定を予測して、事業経営に活用することが大切だと思います。
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月曜日は「マイホームの税金の手引き」
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