個人事業主の期限後申告は青色申告の取消しとはなりません。ただし65万円の特別控除は認められません ~ 確定申告で間違いやすい項目
個人の確定申告に関する記事です。
今回は
期限後申告は青色申告の取消しとはなりません。しかし65万円の特別控除は認められません。10万円の特別控除は認められます
を紹介します。
青色申告をすることができるのは、事業所得などの所得のある方です
青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後、新たに事業を開始した場合には、その事業開始の日から2月以内)に提出します。
青色申告制度とは、一言で言えば、日々の取引を帳簿に記帳し、その記帳に基づいて正しい申告をすることで、所得の計算などについて有利な取扱いが受けられる制度です
承認申請をすれば
青色申告の承認を受けようとする年の12月31日(その年の11月1日以降新たに業務を開始した場合には、その年の翌年の2月15日)までに処分の通知がなかったときは、承認されたものとみなされます。
しかし、次のように場合には青色申告承認が取り消される場合があります
1 帳簿書類を提示しない場合
税務調査に当たり帳簿書類の提示を再三にわたり求めたにもかかわらず調査対象者が正当な理由なくその提示を拒否したときなど
2 税務署長の指示に従わない場合
帳簿書類の備付け、記録または保存について、承認を受けている者が帳簿書類の備え付けなどについて税務署長の指示に従わないとき
3 隠ぺい、仮装などの場合
決定または更正をした場合において、決定又は更正後の所得金額のうち隠ぺいまたは仮装の事実に基づく所得金額が、更正等に係る所得金額の50%に相当する金額を超えるときなど
ただし、法人の場合の青色申告の承認の取消しと違う点があります
法人は申告書を提出期限までに提出しなかったことにより取消し対象となります。一方、個人の場合はそのルールはありません。
したがって、期限後申告でも青色申告の取り消しの対象にはなりません。
一方、期限後申告の場合は65万円の特別控除は認められません
10万円の青色申告特別控除の適用については、期限内申告要件は付されていません。期限後申告の場合は10万円の特別控除は認められます。
<参考1>
→ 青色申告が取消しされた場合、青色承認申請書の再申請について ~ 法人節税策の基礎知識[92]
<参考2>
第150条 青色申告の承認の取消し
青色申告の承認を受けた居住者につき次の各号のいずれかに該当する事実がある場合には、納税地の所轄税務署長は、当該各号に掲げる年までさかのぼって、その承認を取り消すことができる。この場合において、その取消しがあつたときは、その居住者の当該年分以後の各年分の所得税につき提出したその承認に係る青色申告書は、青色申告書以外の申告書とみなす。
一 その年における第143条に規定する業務に係る帳簿書類の備付け、記録又は保存が第148条第1項(青色申告者の帳簿書類)に規定する財務省令で定めるところに従って行なわれていないこと。
二 その年における前号に規定する帳簿書類について第148条第2項の規定による税務署長の指示に従わなかったこと。
三 その年における第1号に規定する帳簿書類に取引の全部又は一部を隠ぺいし又は仮装して記載し又は記録し、その他その記載又は記録をした事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由があること。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
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【編集後記】
火曜日の「消費税」はお休みしました。
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