「吹田市地域福祉計画」と「吹田市社会福祉協議会地域福祉活動計画」について ~ 社会福祉協議会[18]
今回は
「吹田市地域福祉計画」と連携・協働する「吹田市社会福祉協議会地域福祉活動計画吹田市地域福祉計画」について
を紹介します。
前回、吹田市社会福祉協議会の事業活動計算書中、サービス収益で大きな割合を占める次の2つの収益を紹介しました。
① 経常経費補助金収益のうち地域福祉活動補助金収益 61,042,706円
② 受託金収益のうち地域支えあいネットワーク推進事業受託金収益 101,525,542円
です。
どちらも吹田市からの社会福祉事業費として同額が支出され、一方、同協議会の収益として同額が計上されています。
<参考>
→ 2020年度吹田市新公会計制度の事業別財務諸表のうち「社会福祉事業」について
どちらの収益も、吹田市社会福祉協議会が地域福祉活動推進事業として行う事業に対するサービス収益です。
とくに補助金は、市町村社会福祉協議会が、設立当初から公費財源のひとつとしてきたものです。
つまり
「補助金は、行政と社協が協働して取り組む住民の福祉ニーズの把握、地域福祉活動計画の策定、公私社会福祉関係団体のネットワークなど、連絡調整、総合企画、普及及び宣伝などを担う基幹職員の人件費を含む社協運営費に対して、市町村が補助をする必要があるという考え方」です。
(出所:「改訂2版概説社会福祉協議会」 全国社会福祉協議会)
現在
吹田市では「第4次吹田市地域福祉計画(2022~2026)」を策定中です
この計画案中、吹田市社会福祉協議会は、地域福祉の推進を図ることを目的とする団体として、社会福祉法に位置付けられている民間の自主組織とされ、計画推進のための重要な相談機関に位置づけられています。
具体的には次のように紹介されています
「地域の方々や福祉関係機関、ボランティア団体、当事者組織などで構成され、『誰もが安心して暮らせるまち』を目指して、行政や様々な団体などと連携しながら活動しています。また、地域に密着した生活・福祉の相談員として13名のコミュニティソーシャルワーカー(CSW)が配置され、地域と行政のつなぎ役として活動しています。」
この吹田市地域福祉計画に基づき、協議会は吹田市社会福祉協議会地域福祉活動計画を作成して実施しています。
策定中の第4次吹田市地域福祉計画(案)では次のとおりとなっています
基本目標3「域福祉活動推進の基盤整備」、施策の方向1「 地域福祉活動に関する支援」では
社会福祉協議会活動支援の取組の方向性として、次の事項が示されています。
「吹田市社会福祉協議会は地域福祉の推進を目的に組織された団体であり、地域と行政とのつなぎ役であるコミュニティソーシャルワーカー(CSW)を中心に、本市の地域福祉活動推進の要となって様々な活動を展開しています。また、本市における包括的な支援体制の構築においても、重要な役割を担う団体として期待されています。」
「 一方で、依然低い状況にある同協議会とCSWの市民認知度の向上、また、複雑化する市民ニーズに適切に対応していくため、地域団体、事業者や行政とのさらなる連携強化が必要です。 」
「このため、各種の媒体やイベントの活用等により、同協議会の役割や地域福祉活動に関する市民への周知・啓発の取組を推進します。」
「また、会議等の様々な機会を通じて市職員とCSWが情報交換を行い、互いの役割や業務に対する理解を深めながら、地域団体や行政との連携強化に向けた仕組みづくりを進めていきます。」
(出所:第4次吹田市地域福祉計画案 2021/04/21時点)
過去の社会福祉協議会の財務に関するブログ記事は次のとおりです。
1 社会福祉法人吹田市社会福祉協議会に対する吹田市の令和2年度外郭団体活動状況評価について
2 社会福祉法人吹田市社会福祉協議会の2021年度の決算(事業活動計算書)について
3 吹田市社会福祉協議会2021年度事業活動計算書のサービス活動収益について
4 吹田市社会福祉協議会2021年度事業活動計算書の「サービス活動外収益」と「特別収益」について
5 吹田市社会福祉協議会2021年度事業活動計算書の「サービス活動費用」について
6 吹田市社会福祉協議会2021年期末の貸借対照表「純資産の部」について
7 吹田市社会福祉協議会の貸借対照表「純資産の部」の推移について
8 吹田市社会福祉協議会の貸借対照表「資産の部」「負債の部」の推移
9 吹田市社会福祉協議会「事業活動計算書」過去4年間の推移について
10 吹田市社会福祉協議会の「サービス活動収益」過去4年間の推移について
11 吹田市社会福祉協議会の「サービス活動費用」過去4年間の推移と人件費率
12 吹田市社会福祉協議会と豊中市社会福祉協議会の21年3月期事業活動計算書
13 吹田市社会福祉協議会と豊中市社会福祉協議会の21年3月期貸借対照表(純資産の部)
14 21年3月期事業活動計算書「サービス活動収益」の比較 吹田市社会福祉協議会と豊中市社会福祉協議会
15 吹田市社会福祉協議会と豊中市社会福祉協議会の21年3月期事業活動計算書の比較
16 吹田市社会福祉協議会と豊中市社会福祉協議会の21年3月期サービス活動収益のうち「経常経費補助金収益」の比較
17 2020年度吹田市新公会計制度の事業別財務諸表のうち「社会福祉事業」について
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する」
(ピーター F.ドラッカー)
秋の1日、元気にお過ごしくださいね。
【編集後記】
7月から吹田市社会福祉協議会の決算書をとりあげています。趣旨は、社会福祉法人の会計に私が不慣れなため、その知識の習得のため、社会福祉法人の代表例として全国にある市区町村社会福祉協議会のうち、身近な吹田市の社会福祉祉協議会を選んだことによります。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「創業者のクラウド会計」
・火曜日は「消費税」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「経理・会計」
・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」
・土曜日は「創業者のクラウド会計」
・日曜日はテーマを決めずに書いています。
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。