井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

一からはじめる会計のお手伝い。スタートアップの志を支える税理士。
Blog丁寧解説お役立ちブログ。
2017.08.21.Mon | 税金(個人) マイホーム税金

一人暮らしの高齢の母親と同居するため自宅をリフォーム。「多世代同居改修(リフォーム)工事等」の所得税の特例制度があります。

自己が居住して所有する家屋に、他の世代(例えば一人暮らしの高齢の母親)と同居するために、同居リフォーム工事等を行った場合には、所得税の特例制度があります。

今回これを紹介します。

 

「多世代同居改修(リフォーム)工事等」の所得税の特例制度です。

 

月曜日は、これからマイホームの購入や売却・リフォームなどを検討されている個人の方を対象に、税金の話を分かりやすく伝えます。

 

前回は、自己が所有している住宅にバリアフリー改修工事でリフォームした場合に、所得税の特例制度を紹介しました。バリアフリー工事とは関係なく、親と同居するための一定の工事をした場合には所得税の税額控除の特例があります。

 

どのような工事だと、特例の適用を受けることができるのか?次のような工事です。

① 増設工事の内容

ⅰ調理室 ⅱ浴室 ⅲ便所 ⅳ玄関 のいずれかを増築する工事(改修後ⅰからⅳまでのいずれか2つ以上が複数になるものに限ります。)

②工事費用が50万円を超えるもの(補助金等を除く自己負担分)

③増改築等の工事証明書の添付が必要となります。

 

多世代同居改修(リフォーム)工事等した場合には、ローンの有無、控除年数により、次の3つの特例制度があります

 

A 投資型税額控除(住宅特定改修特別税額控除)自己資金でOK

①特 徴 ⇒ ローンは不要。控除期間は1年間

②対象者 ⇒ 3,000万円以下(合計所得金額)

③控除額 ⇒ 標準的な費用の額(250万円が限度)×10%

したがって控除限度額は25万円

④主な要件

・③の標準的な工事費用とは、実費ではなく標準的な費用の額が定められています。

 

B ローン型税額控除(特定増改築住宅借入金等特別控除)

①特 徴 ⇒ 多世代同居改修(リフォーム)工事のためのローン有り(返済期間5年以上)。控除期間は5年間

②対象者 ⇒ 3,000万円以下(合計所得金額)

③控除額 ⇒ (a)※1×2%+(1,000万円※2-(a))×1%

各年の控除限度額は125,000円

※1 (a)は多世代同居改修(リフォーム)工事の借入金の年末残高(250万円を限度)

※2 増改築の借入金(1,000万円を限度とします)

 

C 住宅ローン型税額控除(住宅借入金等特別控除) 

ローンで自己居住の住宅をリフォームした場合に、年末のローン残高の1%を10年間、所得税から税額控除するという制度です。

①特徴  ⇒ 増改築等のための借入金有り。(返済期間10年以上)、控除期間は10年間

②対象者 ⇒ 居住者 3,000万円以下(合計所得金額)

③控除額 ⇒ ローンの年末残高×1%(控除限度額400,000円)

④主な要件

・ローンの年末残高(最高4,000万円)など

・増改築等の工事証明書(住宅借入金等特別税額控除用)が必要

 

住宅のリフォームをした場合の所得税の特例制度は、自己資金で改修した場合やローンを利用した場合など複数の制度が用意されています。また、リフォームの用途や内容によって、次のような様々な特例制度があります。このような制度を知っているか知らないかで、また適用できるかできないかで、税額を大きく違うことがあります。

一度、活用できるかどうかお調べになってはいかがでしょうか?

 

リフォームの種類により4つの区分があります。

① バリアフリーのためのリフォーム工事をした場合

② 多世帯同居のためのリフォーム工事をした場合

③ 省エネのためのリフォーム工事をした場合

④ 耐震改修のためのリフォーム工事をした場合

 

 

マイホームなどの税金に関するご質問・ご相談については、窓口から電話やメールでお気軽にご照会ください。おまちしています。

 

月・水・金は次のとおり税務の記事を

 

月曜日は「マイホームの税金の手引き」(最近はリフォームの特例制度を掲載しています。)

・「バイアフリー改修のリフォームをした後、所得税の減税ができる特例制度を見逃していませんか。」はこちら(8/14)

・「リフォームした後、住宅ローンに関係なく税額控除の適否を確認しましょう」はこちら(8/7)

 

水曜日は「会社設立後に必要な手続きと必要な書類」

金曜日は「いざそのときにあわてないための相続税や贈与税に関する知識」

 

火・木・土曜日は、介護事業の基礎知識バージョンアップ編を紹介しています。

 

介護事業に関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業の基本的で重要な事項を紹介する記事を掲載しています。

入門書よりさらに分かりやすい「門前書」を目指して、介護事業の基礎知識をバージョンアップするような内容にしていきます。

 

【介護事業の基礎知識バージョンアップ編】は次のとおりです。

・「介護事業の開業時には運転資金は4ケ月分のお金が必要」はこちら(8/19)

・「平成30年度の介護報酬改定まであと4か月およびそのスケジュール感」はこちら(8/17)

・「特別養護老人ホームの収支差率の推移について」はこちら(8/15)

・「収支差率と売上高経常利益率について」はこちら(8/13)

・「主な在宅サービスの収支差率について」はこちら(8/12)

・「介護保険や介護事業について私は情報収集をどうしているか?」はこちら(7/27)

 

 

免責

ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。

弊当事務所との協議により実施した場合を除き、本情報の利用により損害が発生することがあっても、弊事務所は一切責任を負いかねます。

 

投稿タグ
カテゴリーで絞る
back記事一覧へ戻る

まずはお気軽にお問い合わせください

06-6318-7726

営業時間:9:00~17:00(月曜日~金曜日)

メールでのお問い合わせ