固定資産が長期的な資金でまかなえているどうか?長期的な支払い能力を表すのが固定長期適合率です ~ 中小企業の「決算書」の読み方[21]
木曜日は「経理・会計」の記事です。
今回は
固定資産が長期的な資金でまかなえているどうかを表す指標、固定長期適合率。100%を超えているケースは要注意です
を紹介します。
財務指標はあくまでも参考とする指標です。
それらがすべてではありませんが、自社の現状を把握するには有用な情報となります。
固定長期適合率とは
投資バランスをチェックします。
固定資産は長期にわたって使用されるものです。設備投資を長期資金で行えているかどうかをチェックする必要があります。
固定資産を購入する源泉が、長期の借入または返済義務のない自己資本の範囲内で投資していないと、資金繰りが苦しくなってしまいます。
その際に活用する指標が固定長期適合率です。
算式は次のとおりです。
《計算式》
固定資産 ÷ (固定負債+純資産) < 100%
固定長期適合率が低ければ低いほど
長期の借入または返済義務のない自己資本の範囲内で固定資産を賄えていることになります。
長期的に見て安全な会社になります。比率は100%以下にする必要があります。
ただし、もともと固定資産が少ない業種の会社は、それほど気にしなくてもよいと思います。
ちなみに小企業の業種別の固定長期適合率は次のようになっています
出所:日本政策金融公庫の小企業の経営指標調査 指標は中央値
・ 情報通信業 26.4%(調査対象数 1,509社)
・ 運輸業 74.1%(調査対象数 1,698社)
・ 卸売・小売業 55.3%(調査対象数 7,672社)
・ 飲食業、宿泊業 97.7%(調査対象数 1,694社)
・ 医療、福祉業 65.0%(調査対象数 2,349社)
など
自社の固定長期適合率を一度、算出して、業界平均と比較してはいかがでしょう。
<参考> 流動比率・自己資本比率・固定長期適合率
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