適正な人件費とは?給料と売上総利益で「労働分配率」を計算して確認しましょう ~ 中小企業の「決算書」の読み方[18]
木曜日は「経理・会計」の記事です。
今回は
労働分配率は売上総利益に占める人件費の割合です。割合は小さいほうが良い。しかし、小さければ良いというものではありません
を紹介します。
多くの会社では、費用のうち人件費が大きな割合をしめています。
人件費といった場合、次のようなものを含みます。
役員報酬、従業員(正社員や契約社員)への給与、アルバイトに支払う雑給、賞与、退職金などが人件費です。
決算書の「役員報酬」「給料手当」「賞与」「法定福利費」「福利厚生費」「退職金」の合計額が人件費の合計額になります。
適正な人件費を算定する際に、よく使われる指標が「労働分配率」です
労働分配率は稼いだ利益をどれだけ人件費に分配しているかを示す指標になります。
次の算式で割合を計算します。
労働分配率(%)=人件費 ÷ 売上総利益 × 100
<参考>
→ 販売費及び一般管理費の中「どういうものが人件費にあたるのか?
労働分配率が高すぎると従業員が多くて、儲からない体質になっているかもしれませんし、
低すぎると従業員に利益還元ができていない状態です。問題があります。
業種別には、平均の労働分配率は次のようにかなり相違します
■ 建設業(一般管工事業) 62.3%
■ 卸売業(化粧品)48.2%
■ 家具小売業 28.9%
■ 警備業 79.4%
■ 通所・短期入所介護事業 66.9%
(出所:TKC経営指標)
こうした同業種の平均の労働分配率を参考にして、自社の人件費の適正値を検討することが必要です
また、労働分配率は稼いだ売上総利益に対して、どれだけの人件費を使うか?というものです。
自社の5年間の推移をみて、労働分配率が上昇しているのか?していないのか?そのトレンドを把握する必要があります。
じりじり上昇しているのであれば要注意です。
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