委託販売を行った場合の消費税の取り扱いをわかりやすく ~ 消費税[98]
消費税の記事を掲載します。
今回は
委託販売を行った場合の消費税の取り扱いをわかりやすく解説。軽減税率対象商品の委託販売の際は注意します
を紹介します。
そもそも委託販売とは
自社の商品などの販売を、手数料を支払い他人に委託することをいいます。
販売業務を委託した人を委託者、委託された人は受託者といいます。
受託者は、販売業務に関する手数料を報酬として受け取ります。
委託者の取り扱いは次のとおりです
① 原則は「総額処理」です
受託者が委託商品を譲渡したことに伴い収受したまたは収受すべき金額を、委託者における売上高とします。
② 例外として「純額処理」です
その資産の販売金額から受託者に支払う委託販売手数料を控除した残額を委託者における売上高とします。
ただし、その課税期間中に行った委託販売等のすべてについてこの方法を採用しなければなりません。
つまり、委託者側は原則が「総額処理」、例外として「純額処理」です。
受託者の取り扱いは次のとおりです
① 原則は「純額処理」です
委託者から受ける委託販売手数料が売上高となります。
② 例外として「総額処理」です
委託された商品の販売金額を課税売上高として、委託者に支払う金額を課税仕入高とします。
ただし、委託販売の資産の譲渡が非課税の対象とされるものである場合は、適用できません。
具体的には次のようになります
たとえば、受託者の販売金額が1,000円、販売手数料が100円の場合は
軽減税率対象の商品(8%)の委託販売については注意します
受託者の販売手数料に対して10%の標準税率が適用されますので、委託者側の「② 例外(純額処理)」と受託者側の「② 例外(総額処理)」は採用できません。
→ 軽減税率制度実施後、飲食料品の委託販売を総額処理により処理していますか?
<参考>
消費税法基本通達10-1-12
(委託販売等に係る手数料)
委託販売その他業務代行等に係る資産の譲渡等を行った場合の取扱いは、次による。
(1) 委託販売等に係る委託者については、受託者が委託商品を譲渡等したことに伴い収受したまたは収受すべき金額が委託者における資産の譲渡等の金額となるのであるが、その課税期間中に行った委託販売等の全てについて、当該資産の譲渡等の金額から当該受託者に支払う委託販売手数料を控除した残額を委託者における資産の譲渡等の金額としているときは、これを認める。
(2) 委託販売等に係る受託者については、委託者から受ける委託販売手数料が役務の提供の対価となる。
なお、委託者から課税資産の譲渡等のみを行うことを委託されている場合の委託販売等に係る受託者については、委託された商品の譲渡等に伴い収受したまたは収受すべき金額を課税資産の譲渡等の金額とし、委託者に支払う金額を課税仕入れに係る金額としても差し支えないものとする。
消費税の軽減税率制度に関する取扱通達
(軽減対象資産の譲渡等に係る委託販売手数料)
16 委託販売その他業務代行等(以下「委託販売等」という。)において、受託者が行う委託販売手数料等を対価とする役務の提供は、当該委託販売等に係る課税資産の譲渡が軽減税率の適用対象となる場合であっても、標準税率の適用対象となることに留意する。
なお、当該委託販売等に係る課税資産の譲渡が軽減税率の適用対象となる場合には、適用税率ごとに区分して、委託者及び受託者の課税資産の譲渡等の対価の額及び課税仕入れに係る支払対価の額の計算を行うこととなるから、消費税法基本通達10-1-12(1)及び(2)なお書《委託販売等に係る手数料》による取扱いの適用はない。
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