J-KISSとはなにか?簡単に早くシンプルに資金調達するための投資契約書のこと? ~ 中小企業の「決算書」の読み方[14]
今回は
J-KISSとは「有償新株予約権」。日本版KISS:「 Keep It Simple Security」というそうです
を紹介します。
今日、株式会社H社の履歴事項全部証明書を取り寄せました。
H社は2019年7月設立の会社です。証明書には「新株予約権」の事項の記載がありました。
内容は「第1回J-KISS型新株予約権」となっています。
資本金50万円の小さな会社(ごめんなさい)ですが、すでに新株予約権による資金調達を検討されています。
そもそも「J-KISS型新株予約権」とは
「J-KISSは日本版KISS: Keep It Simple Security、つまり簡単に早くシンプルに資金調達するための投資契約書です。」
「シード段階ではシンプルに素早く資金調達を行い、素早くプロダクトマーケットフィットまでたどり着く。そしてシリーズA※の時に初めて、優先株を使って複雑な条件交渉を行えば良い、というシリコンバレーで蓄積された経験を形にしたもの」
(出所:「Coral CapitalHP、澤山陽平氏」
※ シリーズAとは
企業が最初の重要なベンチャーキャピタル出資を受ける段階を指します。つまり、ビジネスモデルが確立した段階における資金調達のステージのことをいいます。
さらに、「J-KISS型新株予約権」とは
「500 Startups Japanにより、有償新株予約権を用いて日本の法規制の元で利用できるように調整された日本語版の投資契約書のテンプレート(J-KISS)が無償で公開されています。J-KISSは、日本の法規制への適合性も確認されています。」
(出所:東京スタートアップ法律事務所、弁護士後藤亜由夢氏)
J-KISSとは有償新株予約権によるコンバーティブル・エクイティ
「2016年に500 Startups Japanが公表したJ-KISSは、前述のとおり有償新株予約権を用いた投資スキームです。」
「具体的には、株主総会で発行する個数を決定し、投資家に割り当て、新株予約権として発行の登記する方法です。J-KISS型の新株予約権は、シード期の企業が順調に成長し、シリーズAというステージに移行した時に、A種優先株式に転換される仕組みになっています。」
(出所:同上)
具体的な仕組みとは
「コンバーティブル・エクイティを有償の新株予約権として構成、予約権行使の対象を次の資金調達で発行される優先株式とする。」
「そして、予約権の行使価格は次の資金調達で発行される優先株式の1株当たり価格からのディスカウント価格とする。」
「有償新株予約権の払込金額は、純資産の部に計上されます。つまりエクイティとして評価されるんです。」
「スタートアップは、バリュエーションを先送りしながら必要な資金を調達でき、出資者は、早期に出資した分、後続の出資者よりディスカウントされた条件で株式を引き受けることができるというのがJ-KISSのメリットです。」
(出所:「LegalXDesin 2020-01-16 J-KISSによる資金調達」)
新しい仕組みです。予備知識がありませんでした。
おぼろげながら、理解が少し進んだようです。
経済産業省が「コンバーティブル投資手段活用ガイドライン」を2020/12/28に公表していますね。
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