居住用建物の取得をした場合は、原則は仕入税額控除「☓」。ただし住宅の賃貸用でないことが明らかな部分は仕入税額控除できます ~ 消費税[91]
消費税の記事を掲載します。
今回は
住宅の賃貸用でないことが明らかな部分(仕入税額控除可能な部分)は、建物の実態に応じた合理的な基準により区分します
を紹介します。
令和2年10月1日以後、「居住用賃貸建物」に係る課税仕入れ等の税額には,仕入税額控除の規定は適用されません。
居住用賃貸建物とは
「非課税となる住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物」以外の建物であって、高額特定資産または調整対象自己建設高額資産に該当するものをいいます。
たとえば
賃貸用建物で構造・目的が次のような建物の場合に居住用賃貸建物に該当するかどうかを判定しますと
居住用賃貸建物に該当する場合は「◯」、該当しない場合は「☓」
① すべてが事業用の賃貸物件(貸店舗・貸事務所など) → ☓
② すべてが居住用の賃貸物件 → ◯
③ 1階が事業用で2階が居住用の賃貸物件 → ◯
④ 用途が未定の賃貸物件用途が未定の賃貸物件 → ◯
④の「用途が未定の賃貸物件」の場合
課税仕入れを行った日の属する課税期間の末日において、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかにされたときは、居住用賃貸建物に該当しないものとして取り扱うことができます。
③の「1階が事業用で2階が居住用の賃貸物件」、つまり店舗兼用賃貸住宅の場合
居住用賃貸建物を、建物の構造や設備の状況その他の状況により、事業用賃貸部分と居住用賃貸部分とに合理的に区分しているときは、居住用賃貸部分についてのみ、仕入税額控除が制限されます。
つまり、建物の一部が店舗用の構造となっている居住用賃貸建物などは、使用面積割合や使用面積に対する建設原価の割合など、その建物の実態に応じた合理的な基準により区分します。
<参考>
消費税法施行令 第50条の2
(仕入れに係る消費税額の控除の対象外となる居住用賃貸建物の範囲)
「法別表第一第13号に掲げる住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな部分がある居住用賃貸建物について同項の規定の適用を受けることとなる事業者が、当該居住用賃貸建物をその構造及び設備の状況その他の状況により当該部分とそれ以外の部分(以下この項及び同条第1項において「居住用賃貸部分」という。)とに合理的に区分しているときは、当該居住用賃貸部分に係る課税仕入れ等の税額についてのみ、法第30条第10項の規定を適用する。」
消費税法基本通達11-7-3
(合理的区分の方法)
「令第50条の2第1項《仕入れに係る消費税額の控除の対象外となる居住用賃貸建物の範囲》に規定する「住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな部分がある居住用賃貸建物」とは、例えば、建物の一部が店舗用の構造等となっている居住用賃貸建物をいい、同項に規定する「合理的に区分している」とは、使用面積割合や使用面積に対する建設原価の割合など、その建物の実態に応じた合理的な基準により区分していることをいう。」
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