ポイント契約の消費税処理方法の変更により楽天加盟店の仕入れ税額控除の適用見直し ~ 消費税[88]
消費税の記事を掲載します。
今回は
ポイント契約の消費税処理方法の変更により、楽天加盟店の消費税負担が増加「来年春ごろから適用見通し」
を紹介します。
つまり
加盟店が運営会社楽天に支払う負担金(ポイント費用)が仕入れ税額控除できなくなるということです
共通ポイント制度を利用する加盟店では、
たとえば、一般的にはポイント付与時に次のような処理を行われています。
前提 加盟店:A社、ポイント運営会社:B社
■ B社が運営する共通ポイント制度は、会員が加盟店で100円(税込)の商品を購入するごとに1ポイントを付与します。
■加盟店A社は、ポイント付与分の金銭をB社に支払います。
■1ポイントは1円相当で、加盟店の商品の購入に使用できます。ポイント使用分にはポイントが付与されません。
■加盟店A社は、ポイント使用分の金銭をB社から受け取ります。
売手(加盟店A社)のポイント付与時の会計処理
11,000円(税込)の商品を販売、B社から会員に110ポイント付与するという取引であれば
売り手である加盟店A社の会計処理は次のとおりです。(税込経理方式で)
次のような取引です。
変更前は
加盟店A社の消費税の取り扱いは次のように考えます。
課税売上げの対価 10,000円
課税売上げに係る消費税 1,000円
ポイント費用(課税仕入れ) 110円
したがって10円の仕入れ税額控除の適用があります。
変更後は
加盟店A社の消費税の取り扱いは次のように考えます。
課税売上げの対価 10,000円
課税売上げに係る消費税 1,000円
ポイント費用(課税対象外) 110円
したがって10円の仕入れ税額控除の適用不可
ポイント費用が「消費税の課税取引」に該当するか、「課税対象外」に該当するかは
ポイント制度の規約等の内容によって、対価性があるかないかを判断することになっています。
この取り扱いの影響は大きいです
楽天ポイントは2020年は約4,700億ポイントが付与されたとなっていますので、金額にして4,700億円の消費税額に影響があるわけです。
また、国内のポイント市場は2019年度は2兆円です。2兆円の消費税額に影響します。
(出所:21/03/27 朝日新聞朝刊)
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