井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2021.03.25.Thu | 経理・会計

借入金は自社にとって適正な水準となっていますか?「借入金月商倍率」で確認できます ~ 中小企業の「決算書」の読み方[12]




経営者にとって必要な“会計”を紹介していきます。



今回は


借入金月商倍率とは、借入が月商の何倍あるのかを把握する指標です


を紹介します。




自社の借入額はどの程度の水準なのか?を認識したい場合


確認する指標に「借入金月商倍率」があります。

借入金月商倍率は、次の算式により計算します。

借入金月商倍率 = 借入金 ÷ 売上高(÷12月)


つまり、借入金月商倍率とは、借入が月商の何倍あるのかを把握する指標です。


この倍率が低ければ安全ということです


適正な目安としては借入金月商倍率が3倍~4倍程度といわれています。

借入限度額の目安は、年商の2分1(月商の6倍)が目安といわれています。

月商の12倍以上の借入金は危険水域となります。


借入限度額の目安は、次のように考えます



<借入限度額の目安>

① 借入可能な財務状態であること(次の要件をすべてクリアーすること)を前提としています。

ⅰ  2期連続赤字でないこと

ⅱ 債務超過でないこと

ⅲ 税金の未納がないこと  


② 借入限度額は次のⅰまたはⅱの低い方の金額となります。

 ⅰ 年商の1/2

 ⅱ 当期利益の10倍~20倍

  

あくまで新規取引の際の目安です。すでに取引がある場合には他の諸事情が考慮されます。


(出所:「借入は減らすな!」著者:税理士 松波竜太、あさ出版)



借入金月商倍率は、平均で製造業では4.9倍、小売業では2.2倍といったところです



製造業や小売業の借入金月商倍率は黒字・赤字企業別に見てみると次のようになっています。

■製造業 平均     4.9倍

■製造業 黒字企業平均 4.1倍

■製造業 赤字企業平均 7.5倍


■小売業 平均     2.2倍

■小売業 黒字企業平均 2.1倍

■小売業 赤字企業平均 3.8倍

(出所:TKC経営指標)



中小企業の「決算書」の読み方では、中小企業の経営者が自社の決算書の見方を理解して、それを経営に活かせる考え方を紹介していきます。



変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)

Every day is a new day!

春の1日を元気にお過ごしください。






【編集後記】

画像は今日の舞鶴湾(私の故郷)の様子です。





ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。


・月曜日は「創業者のクラウド会計

・火曜日は「介護事業」または「確定申告

・水曜日は「消費税

・木曜日は「経理・会計」

・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税

・土曜日は「創業者のクラウド会計」または「決算書の読み方」など

・日曜日はテーマを決めずに書いています。



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ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。









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