自己資本(もとで)が効率性に使われているかを見るための「自己資本利益率」 ~ 中小企業の「決算書」の読み方[9]
経営者にとって必要な“会計”を紹介していきます。
今回は
「自己資本利益率」とは自己資本(もとで)が効率的に使われているか?を確認する指標です
を紹介します。
自己資本利益率(Return On Equity)略してROEとは
自己資本利益率とは次の算式で計算します。
当期純利益 ÷ 自己資本 × 100 = 自己資本利益率(%)
「株主が出したお金で、どれぐらい株主のために利益を稼いだか?」という指標です。
投資家目線の指標です。(中小企業の場合は株主=経営者です。)
業種にもよりますが、自己資本利益率は8%が合格ラインと言われてます。
大企業の話になりますが、このROEは、2014年に経済産業省が公開した通称「伊藤レポート」での中で日本企業は最低8%を上回るROEの達成と約束すべきだと明記されました。
それ以来、よく知られるようになった指標です。
分子の当期純利益を増加させて改善するのが王道です。
一方、上場企業など分母の自己資本が大きい場合は、自社株式を購入して分母の自己資本を減らすという方法があります。
中小企業の場合は
負債が多いほど、分母である資本が小さくなります。負債が多いほど資本効率がよく見えるケースがあります。
つまり、必要資金を借入することにより負債が増える方が、自己資本利益率が良くなります。
逆に、無借金経営では、自己資本利益率は悪くなります。財務的に安定した中小企業ほど自己資本利益率は良くない結果となります。
中小企業では矛盾した結果が出ることもあります。
中小企業の「決算書」の読み方では、中小企業の経営者が自社の決算書の見方を理解して、それを経営に活かせる考え方を紹介していきます。
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