マイナスもプラスもない、収支トントンの売上高を「損益分岐点売上高」といいます ~ 中小企業の「決算書」の読み方[5]
経営者にとって必要な“会計”を紹介していきます。
今回は
「利益を出すための最低限必要な売上」はいくらか?把握していますか?
を紹介します。
収支トントンで、営業利益がゼロの時点での売上高を損益分岐点売上高といいます。
損益計算書の仕組みは、収益-費用=利益でした。
その損益計算書の仕組みをわかりやすく箱図にしたものが次の図です。
その中から損益分岐点売上高を取り出すと次のようになります
「売上総利益」 = 「販売費及び一般管理費」となる時点の売上高です。
つまり、売上総利益と販管費が同額になる時点の売上高を損益分岐点売上高といいます。
この損益分岐点売上高を超えて、売上高が増えると利益が増えていきます。
言いかえますと
損益分岐点売上高とは、利益を出すための最低限必要な売上高をあらわします。
損益分岐点売上高は次のような式であらわすことができます
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 売上総利益率
たとえば
■ 売上高 100
■ 変動費(売上原価) 60
■ 売上総利益 40
■ 固定費(販売費及び一般管理費) 80
とすると
損益分岐点売上高は次のように算出します
① 売上総利益÷売上高= 売上総利益率
40÷100=40%
② 固定費÷売上総利益率= 損益分岐点売上高
80÷40%=200
200は自社が利益を出すための売上高となります。
つまり、200という金額を下回ってはいけないという売上高が損益分岐点売上高です。
ベンチマークとなるものです。
<参考>
→ 創業者の9割は決算書を見ていない。「はじめての決算書」6つのチェックポイント
中小企業の「決算書」の読み方では、中小企業の経営者が自社の決算書の見方を理解して、それを経営に活かせる考え方を紹介していきます。
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