配偶者居住権を売った場合の取得費の計算について(期間途中で放棄や合意解除により配偶者居住権が消滅した場合) ~ 贈与や相続・譲渡など資産税[26]
配偶者居住権の記事を紹介します。
今回は
配偶者居住権を期間途中で放棄や合意解除をして、対価の授受があった場合の譲渡所得の取得費について
を紹介します。
たとえば
夫が死亡し遺贈により妻が配偶者居住権を取得し、息子が土地・建物の所有権を取得しました。
その後
配偶者居住権の存続期間の途中に、放棄や合意解除により、配偶者居住権が消滅した場合は、みなし贈与により贈与税が課税されます。
それを避けるため、建物と土地の所有者(子ども)は配偶者に対価を支払うことが考えられます。
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→ 「配偶者居住権の消滅」がみなし贈与にあたる場合とみなし贈与にあたらない場合
その場合の譲渡所得における取得費の計算を考えます。
次のように計算します。
配偶者居住権の売却価額と土地の利用権( 配偶者居住権に基づく敷地利用権の価額)の取得費の計算
建物に関する取得費の計算について
① 配偶者居住権の取得費
配偶者居住権の設定時の建物の取得費×A×(1-B)
A 配偶者居住権等割合 (ア)/(イ)
(ア)配偶者居住権の設定時における配偶者居住権の価額
(イ)相続開始時の建物の相続税評価額
B 減価の額 (ウ)/(エ)
(ウ)配偶者居住権を取得時から消滅時までの年数(6月以上の端数は1年とし,6月に満たない端数は切り捨てます)
(エ)配偶者居住権の存続年数
②建物の所有権の取得費
配偶者居住権の消滅時の建物取得費 - ①
土地の関する取得費の計算について
①土地の利用権( 配偶者居住権に基づく敷地利用権の価額)の取得費
配偶者居住権の設定時の土地の取得費×C×(1-B)
C配偶者居住権等割合(ア)/(イ)
(ア)配偶者居住権の設定時における敷地利用権の価額
(イ)相続開始時の土地の相続税評価額
B 減価の額 (ウ)/(エ)
(ウ)配偶者居住権を取得時から消滅時までの年数(6月以上の端数は1年とし,6月に満たない端数は切り捨てます)
(エ)配偶者居住権の存続年数
②土地の所有権の価額
消滅時の土地の取得費 - ①
譲渡所得の考え方の留意点は
・配偶者居住権および土地の利用権( 配偶者居住権に基づく敷地利用権の価額)の対価は総合譲渡所得です。
・土地の利用権( 配偶者居住権に基づく敷地利用権の価額)の取得費計算の際には、配偶者居住権と同様に減価の額を控除します。
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