役員が会社から建物を借りる(社宅)家賃が適正額でない場合(低額家賃の場合) ~ 法人節税策の基礎知識[63]
木曜日は法人税の記事を掲載しています。
今回は
社宅家賃が低い場合、役員に対する課税が発生します
を紹介します。
差額分は経済的利益として役員の給与所得の収入金額になります
土地、家屋その他の資産の貸与を無償または低い対価で受けた場合における、通常支払うべき対価の額またはその通常支払うべき対価の額と実際に支払う対価の額との差額に相当する利益は、経済的利益として、役員の給与所得の収入金額に算入されます。
経済的利益の額(差額分)を収入金額に算入する時期は
各月ごとにその月の末日となっています。
つまり、毎月の給与について源泉徴収する際に、適正な家賃と実際に徴収している家賃の差額を給与支払額に加算して計算することになります。
たとえば、役員の家賃の差額が月3万円の場合
1年分で36万円、会社は差額分の受取家賃を受け取っていないことになります。
一方、同額の給与が発生していることになります。
仕訳で示すと次のようになります。
(役員給与)36万円 / (受取家賃)36万円
会社側では差額分(36万円)を役員給与に算入する必要があります
「役員に対してその居住の用に供する土地または家屋を、無償または低い価額で提供した場合における通常取得すべき賃貸料の額と実際徴収した賃貸料の額との差額に相当する金額」は経済的利益として役員給与になります(法人税法基本通達 9-2-9)
差額分(36万円)は「定期同額給与」に該当することになります
「定期同額給与の範囲に規定する『継続的に供与される経済的な利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるもの』とは、その役員が受ける経済的な利益の額が毎月おおむね一定であるものをいうのである」(法人税法基本通達 9-2-11)
次に会社は、差額分(36万円)と毎月支払われる役員給与の合計額が、過大役員給与に該当するかどうかの判定を行います
法人税法施行令第70条( 過大な役員給与の額)により判定します。
過大役員給与となった場合、その過大部分は損金不算入となります
関連記事
・ 役員が会社から建物を借りる(社宅)の適正な家賃について考えます
・ 役員が会社から建物を借りる(社宅)家賃の適正額の計算について
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
秋の1日を元気にお過ごしください。
創業者には、事業を着実に成長させるために、決算書の会計データを計器盤として利用することをおすすめしています。次のようなサービスを提供しております。
▶ 創業起業サポート
お伺いして、会計処理や税務の相談や提案などさせていただくサポートサービスを提供しております。
「知っておきたい法人節税策の基礎知識」を紹介しています。
http://www.y-itax.com/category/houjin/
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「介護事業」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「知っておきたい法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」
・土曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・日曜日は、テーマを決めずに書いています。
免責
ブログ記事は、投稿時点での税法等に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。