所得税法上の非課税限度額を超える「通勤手当」の消費税の取り扱いについて ~ 消費税[60]
水曜日は消費税の記事を書いています。
今回は
所得税法上の非課税を超える「通勤手当」の消費税の取り扱いについて
を紹介します。
電車やバス通勤者の通勤手当の所得税法上の取り扱いは
役員や使用人に通常の給与に加算して支給する通勤手当や通勤定期券などは、一定の限度額まで非課税となっています。
たとえば、車やバスだけを利用して通勤している場合
この場合の非課税となる限度額は、通勤のための運賃・時間・距離などの事情に照らして、最も経済的かつ合理的な経路および方法で通勤した場合の通勤定期券などの金額です。
新幹線鉄道を利用した場合の運賃等の額も「経済的かつ合理的な方法による金額」に含まれます。グリーン料金は含まれません。
最も経済的かつ合理的な経路および方法による通勤手当や通勤定期券などの金額が、1か月当たり15万円を超える場合には、15万円が非課税となる限度額となります。
電車やバスなどのほかにマイカーや自転車なども使って通勤している場合は
この場合の非課税となる限度額は、次の①と②を合計した金額です。1か月当たり15万円が限度です。
①電車やバスなどの交通機関を利用する場合の1か月間の通勤定期券などの金額
②マイカーや自転車などを使って通勤する片道の距離で決まっている1か月当たりの非課税となる限度額
非課税となる限度額を超える部分は
1か月当たりの非課税となる限度額を超えて通勤手当や通勤定期券などを支給する場合には、超える部分の金額が給与として課税されます。
この超える部分の金額は、通勤手当や通勤定期券などを支給した月の給与の額に上乗せして所得税及び復興特別所得税の源泉徴収を行います。
消費税の取り扱いは
通勤手当のうち、通勤のために通常必要とする範囲内のものは、所得税法上非課税とされる金額を超えている場合でも、その全額が課税仕入になります。
言い換えますと
通勤手当が非課税限度額を超えたためその一部が給与に該当する場合であっても、消費税の取扱いにおいては、通勤手当がその通勤に通常必要であると認められるものである限り、課税仕入れに係る支払対価に該当します。
<参考>
消費税法基本通達 11-2-2
通勤手当
事業者が使用人等で通勤者である者に支給する通勤手当(定期券等の支給など現物による支給を含む。)のうち、当該通勤者がその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとした場合に、その通勤に通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れに係る支払対価に該当するものとして取り扱う。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
秋の1日を元気にお過ごしください。
創業者には、事業を着実に成長させるために、決算書の会計データを計器盤として利用することをおすすめしています。次のようなサービスを提供しています。
▶ 創業起業サポート
お伺いして、会計処理や税務の相談や提案などさせていただくサポートサービスを提供しています。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「介護事業」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「知っておきたい法人税の基礎知識」
・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」
・土曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・日曜日は、テーマを決めずに書いています。
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。