個人が土地や建物の貸付けにより得た不動産所得の記帳について ~ クラウド会計freee[90]
「創業者のクラウド会計」の記事です。
クラウド会計を活用し、会計データを整理し、効率的に記帳をすることをおすすめしています。
今回は
“個人が土地や建物の貸付けにより得た不動産所得の記帳について”
を紹介します。
個人の場合は、土地や建物など不動産の貸付けにより得た所得は、「不動産所得」という所得になります。
このため、事業所得がある場合は、その事業所得とは別に集計した上で、確定申告の際に合算して申告します。
こうした場合の記帳は不動産所得用の勘定科目を利用します
初期設定では不動産所得を記帳する設定となっていません。設定を変更します。
不動産所得とは(ざっくりと)
アパート、マンション、オフィスビル、月極駐車場など土地や建物などの不動産の貸付けによる所得です。
不動産所得を記帳できるように設定します
設定により、不動産所得の記帳用の[不]のマークがついた勘定科目を利用できるようにします。
①「設定」→「事業所の設定」→「詳細設定」→「不動産所得使用区分」欄の「使用する」を選択します。
②「設定」→「勘定科目の設定」→「不動産所得用」を選択します。
不動産所得の取引を登録する時には、この[不]と頭に書いてある勘定科目を用いて登録します。
不動産所得の取引を登録します
勘定科目欄に追加されるメニューで「不動産」を選択します。
不動産所得用の勘定科目([不]と先頭に付いた勘定科目)を選択して取引を登録します。
不動産所得の青色申告決算書の作成について
不動産所得用の損益計算書は、青色申告決算書のPDFを出力する際に一緒に出力されます。
貸借対照表は、事業所得と合算されます。不動産所得用の貸借対照表は作成されません。
不動産所得用の固定資産の登録について
不動産所得のもとになる貸付用の不動産については、固定資産台帳への登録時に「不動産貸付割合」を設定します。
つまり、不動産貸付割合(不動産事業で用いる割合)を入力します。
不動産事業で利用する比率は事業利用比率に含めず、事業利用比率+不動産貸付割合+プライベート利用比率が100%となるように入力します。不動産所得に該当する減価償却費が「[不]減価償却費」として計上されます。
そもそも事業所得とは別に不動産所得という分類が必要でしょうか?
次のように、昔は区分はされてなかったようです。
「不動産所得は22年当初(昭和だと思います)の税法では独立しておらず、事業所得、雑所得とともに事業等所得として一括されていたわけです。」
「元来不動産所得と事業所得とは所得の計算、損益通算、青色申告制度において全く共通しており、 これを区分するのは専ら資産所得の合算の関係だといっていいでしょう。」
「資産合算制度上利子所得や配当所得は、源泉分離選択でほとんど実益がなくなっているので、今や不動産所得だけが資産所得の合算制度を支えているわけです。」
(出所「所得税法の考え方・読み方」大島隆夫・西野襄一 税務経理協会 昭和63年)
しかし、資産合算制度は現在ありません。不動産所得として区分する意義はあるのでしょうか?
「業務」か「事業」という区分が必要であれば、「業務」は雑所得、「事業」は事業所得に入れてはどうでしょうか。(思いつきです。直感で)
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
夏の1日を元気にお過ごしください。
創業者には、事業を着実に成長させるために、決算書の会計データを計器盤として利用することをおすすめしています。次のようなサービスを提供しています。
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初めて開業する方に、必要な準備や基礎知識を税理士からお伝えしています。
「開業のための基礎知識」ブログ記事は
https://www.y-itax.com/category/sogyo/
クラウド会計freee【パート2】
52 クレジットカードを利用した場合の記帳 その2 「支払った内容を登録します」
53 クレジットカードを利用した場合の記帳 その3「銀行口座の引き落としを登録」
58 個人事業主の場合、売上が源泉徴収の対象となる報酬などの取引登録のしかた
59 キャッシングやカードローンを利用した場合の登録のしかた
60 個人事業主などに源泉徴収の対象となる講師料などを支払ったときの登録のしかた
61 個人事業主などに源泉徴収の対象となる講師料などを支払ったときの登録(出金時のみ登録している場合)
62 銀行から受取利息の入金があったときの登録(記帳)について
65 「売上戻り高」・「仕入戻し高」を使用する場合の記帳方法
68 「前受金の記帳について」商品の注文時に内金を受け取ったときの処理
70 消費税申告義務が発生した場合、納付する消費税の課税方法を選択します
71 消費税の税区分の種類(課税・非課税・対象外)とその選択について
73 正しい消費税区分が選択できているかどうかは「消費税区分別表」を確認します
74 消費税区分を確認するための「消費税区分別表」の利用方法
76 消費税の確定申告および納付の登録・処理を行います。決算整理を含みます。
77 預金残高のズレを確認する「タイムライン」という機能は大変便利です
78 記帳内容をチェックする「記帳レビュー」機能の活用について
79 認定アドバイザーのみが活用できる「自動帳簿チェック」機能について
81 間違った登録を修正します。総勘定元帳の修正方法のポイント
82 登録済の取引の中から特定の取引を修正したい場合は、条件で絞り込みます
83 銀行口座の残高の不一致を修正します。おもな不一致の原因は7つです
84 「消費税区分別表」と「消費税集計表」の取扱いと活用のしかた
86 freeeの振替伝票作成上の追加機能:「振替伝票の途中に入力行の挿入 / 空行を保持」「金額欄が0の空行を保持」します
87 減価償却費を計算させるため固定資産を固定資産台帳に登録します
88 自宅兼事務所の家賃などがある場合、個人事業者は家事按分を登録します
89 決算書を作成する前に、日常に使っている勘定科目が決算書上でどのように表示されるかを確認します。修正可能です
クラウド会計freee【パート1】
① 最初は違和感があります。「口座」「明細」「取引」などfreeeに出てくる用語
② 未決済と決済完了。未決済の取引の登録は自動で経理が使えません
③ freeeには補助科目がありません。代わりに「メモタグ」などの機能を利用します
④ 新設の法人が会計freeeを最初に利用する場合の初期設定
⑦ 開始残高に売掛金など債権債務がある場合とその後の振替処理
⑧ 現金取引の処理方法。CSVで利用明細を用意して取り込みます
⑫ 「取引」を3つに区分します。「収入取引」「支出取引」「口座振替」
⑭ 銀行口座・クレジットカードを同期する際に注意したい3つのポイント
⑮ クレジットカードの利用明細を取り込む際のチェックポイント
⑱ 手動で銀行やカードの明細を取り込みます「明細アップロード」
⑲ freeeに登録した銀行口座などの同期がうまくできない場合
㉖ Square(スクエア) 売上データを取り込む場合【具体例】
㉘ 領収書などの紙のデータをファイルボックスに取り込み、取引登録できます
㉙ 領収書をファイルボックスに取り込んだ後、原本の保管はどうしますか?
㉚ レシートをファイルボックスに取り込んだあと、取引登録をします
㉛ 給与と役員報酬の支払の記帳は、取引テンプレートを活用します
㉞ 「給与支払の登録」頻度の高い会計処理です。手動で複数行の取引を登録します
㊱ 未決済取引の登録後、回収・支払があれば「決済を登録」します
㊲ 未決済取引の決済登録で、取引金額と入出金額が異なるケースの登録方法
㊳ 「自動で経理」から未決済取引と取得明細をマッチングさせます
㊴ デザイナーなど個人事業主が、源泉徴収される入金があった場合の「消し込み」
㊷ 未決済取引の消し込み金額に対して入金額が過少な場合の記帳
㊻ 現金の預金への預け入れで、「自動で経理」から記帳するときに注意すること
㊼ 大量のレシート類を、効率的に連続取引登録する記帳方法について
㊽ 取引と口座振替のインポートにより、一括登録することができます
㊾ プライベートの支払いや生活費を支払った場合の記帳について
㊾ プライベートの支払いや生活費を支払った場合の記帳について
㊿ 役員個人の財布から、会社の事業経費を支払った場合の記帳について
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「介護事業」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「知っておきたい法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」
・土曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・日曜日は、テーマを決めずに書いています。
免責
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