飲食店を営む方が業務用食材を使って食事をしました。消費税の課税対象になります ~ 消費税[53]
水曜日は消費税の記事を書いています。
今回は
飲食店を営む方が業務用食材を使って食事をしました。棚卸資産の家事消費は消費税の課税対象になります
を紹介します。
消費税は、原則として有償取引のみを課税対象としています
無償による取引は課税の対象となりません。
ただし、無償取引であっても次の家事消費については、例外的に課税の対象となります。
家事消費は課税対象になります
個人事業者が棚卸資産や事業用資産を家事のために消費または使用したりすることです。
たとえば、家事消費とは次のようなことをいいます。
■飲食店を営む方が業務用食材を使って食事をしました。
■販売用の商品を個人事業主が使用しました。
家事消費の際の売上金額は、通常の販売価額で計上します
棚卸資産を家事のために消費し、または使用した場合には、その家事消費の時におけるその資産の価額を課税標準として課税されます。
ただし、次のような特例があります
①または②のいずれか多い方の金額を計上することができます。
① 仕入金額
② 通常の販売価額×50%
一方、所得税の申告において個人事業者が棚卸資産を家事消費をした場合
「仕入金額」と「通常の販売価額×70%」のいずれか多い金額を、総収入金額に計上することになっています。消費税の申告にあたっては、この所得税の計算とは別個に、売上金額を計算しても問題ありません。
<参考>
消費税法基本通達 10-1-18
自家消費等における対価
「個人事業者が法第4条第5項第1号《個人事業者の家事消費等》に規定する家事消費を行った場合または法人が同項第2号《役員に対するみなし譲渡》に規定する贈与を行った場合(棚卸資産について家事消費または贈与を行った場合に限る。)において、次の(1)及び(2)に掲げる金額以上の金額を法第28条第3項《みなし譲渡に係る対価の額》に規定する対価の額として法第45条《課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについての確定申告》に規定する確定申告書を提出したときは、これを認める。」
(1) 当該棚卸資産の課税仕入れの金額
(2) 通常他に販売する価額のおおむね50%に相当する金額
所得税法法基本通達 39-2
家事消費等の総収入金額算入の特例
「事業を営む者が法第39条もしくは第40条に規定する棚卸資産を自己の家事のために消費した場合または同条第1項第1号に規定する贈与若しくは遺贈をした場合において、当該棚卸資産の取得価額以上の金額をもってその備え付ける帳簿に所定の記載を行い、これを事業所得の金額の計算上総収入金額に算入しているときは、当該算入している金額が、39-1に定める価額に比し著しく低額(おおむね70%未満)でない限り、39-1にかかわらず、これを認める。」
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
向暑の1日を元気にお過ごしください。
創業者には、事業を着実に成長させるために、決算書の会計データを計器盤として利用することをおすすめしています。次のようなサービスを提供しています。
▶ 創業起業サポート 「創業者応援クラウド会計サービス」と「顧問相談クラウドサービス」
お伺いして、会計処理や税務の相談や提案などさせていただくサポートサービスを提供しています。
消費税[パート2]
[51] 「免税事業者の判定」特定期間の課税売上高について注意するポイント
[52] 前受金、仮受金として金銭を受け取ってもその時点で消費税はかかりません
消費税[パート1]
① 持ち帰りと店内飲食を、税込みで同じ価格にする方法があります
② 国内で行う商品の発送、内国法人は輸出免税の適用を受けることができません
④ 消費税アップ後、消費税負担が下がり増税後の方が得になります
⑤ どう選択するか?「軽減税率対策補助金」と「キャッシュレス・消費者還元事業」
⑥ 軽減税率導入に伴う、飲食料品を取扱う「卸売業者」や「小売業者」のキホン
⑦ 税抜き/税込み、どちらの表示が正しいの?わかりづらい外税表示と総額表示
⑨ 来年の確定申告時には消費税率8%から10%の差額に対応する消費税額が増加します
⑩ 国外事業者に支払うインターネット宿泊予約サイトへの掲載手数料の取扱い
⑪ 「消費税の軽減税率」で飲食店の価格表示はどうなるのか?どうするのか?
⑫ テイクアウトできる飲食店の価格表示?税込価格を異なるようにする場合
⑬ 有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの食事の提供は課税です
⑭ 有料老人ホームなどで提供される食事が軽減税率(8%)となる場合のルール
⑮ 有料老人ホームなどで提供される食事が、軽減税率(8%)とされる理由
⑯ 有料老人ホームなどで提供される食事が、軽減税率(8%)となるための金額ルール
⑰ 老人ホームの食事に厨房管理費と食材費がある場合の軽減税率の考え方
⑱ 「簡易課税」とは。簡易課税の選択を検討することをおすすめします
⑲ 「原則課税」または「簡易課税」の選択。その有利・不利の判定の仕方
㉑ お店が8%と10%の商品を購入した際、税込経理でも区分経理が必要です
㉕ ポイント即時充当によるキャッシュレスの消費税仕入税額控除の考え方
㉖ 税率ごとに区分経理した帳簿から「課税取引金額計算表」を作成します
㉗ 区分経理が間に合わない個人事業者のための「消費税簡易課税制度選択届出書」特例
㉘ 還元事業の「ポイント付与」「口座充当」「引落相殺」「即時充当」の会計処理
㉙ 消費税の課税事業者とは?申告に必要な手続き。「消費税課税事業者届出書」の提出
㉛ 課税事業者になる方が有利な場合に提出します「消費税課税事業者選択届出書」
㉜ 「消費税簡易課税制度選択届出書」と「特例消費税簡易課税制度選択届出書」
㉟ 簡易課税制度適用事業者が免税事業者となった後、ふたたび課税事業者となった場合
㊱ 消費税の課税事業者選択について、提出した日から適用できるケース
㊳ 賃貸オフィスの「権利金」「更新料」「保証金」「敷金」の消費税の取扱いについて
㊴ 賃貸マンションを売却した際に、買主から受け取る固定資産税の消費税の取扱い
㊵ ビール券や商品券の消費税(課税・非課税・不課税)の取扱いの考え方
㊶ 認可外保育所の利用料について、消費税が非課税になるケースがあります
㊷ 基準期間の課税売上高1,000万円を超える事業主は、消費税の納税義務があります。その場合、今年の課税売上高がいくらかは関係ありません。
㊸ 課税期間開始後であっても課税事業者を選択することができます「新型コロナ特例」
㊹ 課税期間開始後であっても課税事業者の選択をやめることができます「新型コロナ特例」
㊺ 課税期間開始後であっても簡易課税制度を選択(または選択をやめる)ことができます~新型コロナなど災害により被害を受けた場合の特例
㊻ 新設法人などが調整対象固定資産を取得した場合、納税義務が免除になります~新型コロナ特例
㊼ 高額特定資産を取得した場合、特例対象者は納税義務が免除になります
㊽ 廃業後、個人事業者が新たな事業を開始した場合の納税義務の考え方
㊾ 相続で事業を引き継いだ場合の個人事業者の消費税納税義務について
㊿ 税基準期間の課税売上高。免点の1,000万円と比較する課税売上高に含めるもので注意するポイント
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「介護事業」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「知っておきたい法人税の基礎知識」
・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」
・土曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・日曜日は、テーマを決めずに書いています。
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。