高齢者施設で看取りができるようになっているのに、延命希望していない人が救急搬送される?
第4回吹田市地域医療懇談会での議論を、興味をもって読んでいます。在宅医療や介護連携についての現場の状況や考え方が、懇談会で詳しく語られているからです。
また、専門職の方々が医療・介護の現況について発言し、課題を指摘しています。参考になります。
高齢者施設から延命希望していない人が救急搬送されるが?
「高齢者施設からの救急搬送ケースが多く見受けられるけれども、御本人や御家族が延命や高度医療を求めていないようなケースもあり、施設ではどういった判断をしているのか、施設でも一定看取りもできるようになっているのではないか?」という疑問が出ていました。
その疑問に対して、事務局の方が現場の施設側の意見を調べて次のように報告しています。
急変時の救命の場合と最期の看取りの場合はちがう。
「施設にとって、急変時の救命の対応と、最期の看取りの対応については分けて考えているとのことでした。」
急変時の救命の対応時の看取りは難しい。悩みながら判断している。
「最期の看取りの対応についてですが、施設で最期を看取れるという方というのは、比較的穏やかで状態が安定している方とのことでした。一定の医療連携の下であれば、施設でも看取りをしている実績を積んできておりますが、急変された時、目の前で苦しんでいる方について、施設で看取るのは少し難しいと。」
「その都度、御本人や御家族の意向を確認しながら救急搬送の判断を悩みながらしているということです。」
医療職がいないという夜間の態勢が理解されていないのではないか。
「施設側として、現場では悩ましい点とのことで、夜間搬送した病院で病院職員から介護職員がなぜ病院に連れてきたのかと怒鳴られたこともあるという御意見もございました。その中で、特に夜間の体制について、医療職がいないということを御家族も含めて、一般に理解されていないのではないかと施設側では受け止めておりまして、」
「例えば特別養護老人ホームで言いますと、看護師は日中のみしかおられません。また配置医師という形で日常の健康管理を行う医師はいるのですが、配置基準は細かく決まっておらず、差があります。嘱託で週に1回来られるという方もおられ、夜間も含めた時間外に、緊急の相談を配置医師にできるかというと、そういう体制ではない施設が多い中で、介護職の方が看護師と相談しながら判断しているとのことでした。」
高齢者施設の方々も苦労しなから取り組まれています。
吹田市地域医療推進懇談会とは
大阪府地域医療構想が策定されたことにより、豊能構構想区域において在宅医療に関する懇話会が設置されました。それを受けて、介護保険者である吹田市が、市における在宅医療の推進等の課題解決を検討するために設置したものです
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