認定NPO法人に対する現物寄附についての承認特例について(基金設置ルール)~ 遺贈寄付[3]
今回は
認定NPO法人に対する現物寄附についての承認特例(基金設置ルール)について
を紹介します。
認定・特例認定NPO法人に対し、個人が現物資産(土地、建物、株式など)を遺贈寄附した場合
■一定の要件を満たすとみなし譲渡所得税(資産の取得時から寄附時までの値上がり益に対する課税)が非課税となります。
■令和2年度税制改正において、認定NPO法人・特例認定NPO法人(以下認定NPOといいます)への寄附について、この非課税承認される特例が拡充されています(2020年4月1日から)。
この「承認特例」の拡充の内容とは次のとおりです。
現物寄附のうち一定の要件を満たすものについては
承認申請書の提出から1か月以内(寄附財産が株式等の場合は3か月以内)に国税庁長官の承認または不承認の決定がなかったときは、その承認があったものとみなされ非課税となるというものです。
承認要件は次のとおりです。
①寄附した人が寄附を受けた認定NPO法人等の役員等および社員並びにこれらの人の親族等に該当しないこと。
②寄附財産について、寄附を受けた認定NPO法人等において一定の基金に組み入れる方法により管理されていること。
③寄附を受けた認定NPO法人等の理事会等において寄附の申出を受けることおよび②の組入れが決定されていること。
「一定の基金に組み入れる方法」(基金制度)というところがポイントになります
認定NPO法人と基金制度は次のようなイメージです。
基金の設置要件のルールは次のとおりです。
所管庁の証明が必要です
承認特例および特定買換資産の特例を受けるためには、認定NPO法人が告示に定める要件を満たした基金を設置したうえで、所轄庁が要件の確認をしたことの証明を受ける必要があります。
基金設置のルールは次のとおりです。
①区分経理ルール
基金が、他の経理と区分して整理されていることが必要です。
②事業充当ルール
基金が特定非営利活動促進法第2条第1項に規定する特定非営利活動に係る事業に充てられることが確実であることが必要です。
③基金組み入れルール
基金に組み入れた財産の運用によって生じた利子その他の収入金(収入金で取得した資産を含む。)を基金に組み入れることとしていることが必要です。
④合議制機関設置ルール
基金の管理および運用に関する重要事項について、審議する合議制機関を設置していることが必要です。
⑤基金明細書の開示ルール
基金に組み入れた財産について必要な事項を記載した基金明細書について監事の監査を受けた上で、その明細書を毎事業年度終了後3月以内に、所轄庁に提出するとともに、その写しを作成した日の属する事業年度の翌年度の開始の日から5年間、認定NPO法人等の主たる事務所の所在地に保存することとしていることが必要です。
(出所:内閣府NPOのHP「現物寄附のみなし譲渡所得税等の非課税特例の拡充」)
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