基準期間の課税売上高。免税点の1,000万円と比較する課税売上高に含めるもののうち、注意するポイント ~ 消費税㊿
水曜日は消費税の記事を書いています。
今回は
「免税点の1,000万円と比較する課税売上高に含めるもので注意したいポイント」
を紹介します。
免税事業者に該当するかどうかの判定をする場合の課税売上高で、
次のものは課税資産の譲渡等に含めますので、注意します。
みなし譲渡の売上高
無償取引であっても次の①と②の取引は課税売上高に含めます。
「みなし譲渡」といっています。
① 個人事業者が棚卸資産その他の事業用資産を家事のために消費し、または使用した場合におけるその消費または使用をした資産の価額に相当する金額(時価)。
② 法人が資産をその役員に対して贈与した場合におけるその贈与した資産に相当する金額(時価)。
手数料収入や事業用固定資産の売却代金
手数料収入や事業用固定資産の売却代金も課税売上高に含めます。
個別消費税の額(消費税・地方消費税の額は除く)
酒税、たばこ税、揮発油税、石油石炭税、石油ガス税等は課税売上高に含めます。
ただし、軽油引取税、ゴルフ場利用税および入湯税は、利用者が納税義務となっていますから、課税売上高には含めません。
輸出免税売上高は含まれます
輸出免税高は課税売上高に含めます。輸出免税の規定は、課税資産の譲渡等のうち、特定のものについて消費税を免除するものだからです。
課税売上高は税抜き金額で判定します
ただし、基準期間が免税事業者であった場合の課税売上高は税抜きにしてはいけません。
次のとおりです。
<参考>消費税法基本通達1-4-5
基準期間が免税事業者であった場合の課税売上高
「基準期間である課税期間において免税事業者であった事業者が、当該基準期間である課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等については消費税等が課されていない。したがって、その事業者の基準期間における課税売上高の算定に当たっては、免税事業者であった基準期間である課税期間中に当該事業者が国内において行った課税資産の譲渡等に伴って収受し、又は収受すべき金銭等の全額が当該事業者のその基準期間における課税売上高となることに留意する。」
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
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消費税
① 持ち帰りと店内飲食を、税込みで同じ価格にする方法があります
② 国内で行う商品の発送、内国法人は輸出免税の適用を受けることができません
④ 消費税アップ後、消費税負担が下がり増税後の方が得になります
⑤ どう選択するか?「軽減税率対策補助金」と「キャッシュレス・消費者還元事業」
⑥ 軽減税率導入に伴う、飲食料品を取扱う「卸売業者」や「小売業者」のキホン
⑦ 税抜き/税込み、どちらの表示が正しいの?わかりづらい外税表示と総額表示
⑨ 来年の確定申告時には消費税率8%から10%の差額に対応する消費税額が増加します
⑩ 国外事業者に支払うインターネット宿泊予約サイトへの掲載手数料の取扱い
⑪ 「消費税の軽減税率」で飲食店の価格表示はどうなるのか?どうするのか?
⑫ テイクアウトできる飲食店の価格表示?税込価格を異なるようにする場合
⑬ 有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの食事の提供は課税です
⑭ 有料老人ホームなどで提供される食事が軽減税率(8%)となる場合のルール
⑮ 有料老人ホームなどで提供される食事が、軽減税率(8%)とされる理由
⑯ 有料老人ホームなどで提供される食事が、軽減税率(8%)となるための金額ルール
⑰ 老人ホームの食事に厨房管理費と食材費がある場合の軽減税率の考え方
⑱ 「簡易課税」とは。簡易課税の選択を検討することをおすすめします
⑲ 「原則課税」または「簡易課税」の選択。その有利・不利の判定の仕方
㉑ お店が8%と10%の商品を購入した際、税込経理でも区分経理が必要です
㉕ ポイント即時充当によるキャッシュレスの消費税仕入税額控除の考え方
㉖ 税率ごとに区分経理した帳簿から「課税取引金額計算表」を作成します
㉗ 区分経理が間に合わない個人事業者のための「消費税簡易課税制度選択届出書」特例
㉘ 還元事業の「ポイント付与」「口座充当」「引落相殺」「即時充当」の会計処理
㉙ 消費税の課税事業者とは?申告に必要な手続き。「消費税課税事業者届出書」の提出
㉛ 課税事業者になる方が有利な場合に提出します「消費税課税事業者選択届出書」
㉜ 「消費税簡易課税制度選択届出書」と「特例消費税簡易課税制度選択届出書」
㉟ 簡易課税制度適用事業者が免税事業者となった後、ふたたび課税事業者となった場合
㊱ 消費税の課税事業者選択について、提出した日から適用できるケース
㊳ 賃貸オフィスの「権利金」「更新料」「保証金」「敷金」の消費税の取扱いについて
㊴ 賃貸マンションを売却した際に、買主から受け取る固定資産税の消費税の取扱い
㊵ ビール券や商品券の消費税(課税・非課税・不課税)の取扱いの考え方
㊶ 認可外保育所の利用料について、消費税が非課税になるケースがあります
㊷ 基準期間の課税売上高1,000万円を超える事業主は、消費税の納税義務があります。その場合、今年の課税売上高がいくらかは関係ありません。
㊸ 課税期間開始後であっても課税事業者を選択することができます「新型コロナ特例」
㊹ 課税期間開始後であっても課税事業者の選択をやめることができます「新型コロナ特例」
㊺ 課税期間開始後であっても簡易課税制度を選択(または選択をやめる)ことができます~新型コロナなど災害により被害を受けた場合の特例
㊻ 新設法人などが調整対象固定資産を取得した場合、納税義務が免除になります~新型コロナ特例
㊼ 高額特定資産を取得した場合、特例対象者は納税義務が免除になります
㊽ 廃業後、個人事業者が新たな事業を開始した場合の納税義務の考え方
㊾ 相続で事業を引き継いだ場合の個人事業者の消費税納税義務について
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