貸借対照表は2期分を比較して現金の増減の原因を考えます ~簿記を勉強しなくても決算書がわかる [1]
経営者にとって必要な“会計”を考えていきます。
中小企業の決算書の見方・考え方と会社の数字をざっくり理解して、借入や経営に活かせる会計の考え方を紹介します。
決算書のうち、損益計算書は分かりやすいですが、一方の貸借対照表は分かりにくい決算書です。
よくあるのが、貸借対照表を使った比率分析です。しかし、中小企業の場合は比率で分析してもほとんど意味はありません。
<参考>
中小企業の場合は
2期分の貸借対照表(B/S=BalanceSheet)を比較して、現金預金の増減の原因を考えるアプローチが理論的です
たとえば、次のような2期分の貸借対照表をならべて現金預金の増減の要因を考えます。
現金預金の増減は
前期120百万円 → 当期40百万円(▲80百万円)
つまり、キャッシュは前期から80百万円減少していることが2期分のB/Sからわかります。
次に、現金預金の減少の理由を2期分の貸借対照表から探ります。
ひとつめは
商品の増加、つまり在庫の増加です
前期80百万円 → 当期200百万円(+120百万円)
商品(在庫)は前期から120百万円増加していることが2期分のB/Sからわかります。
次に
貸付金の増加が現金預金の減少につながっています
前期ゼロ → 当期10百万円(+10百万円)
貸付金が前期から10百万円増加していることが2期分のB/Sからわかります。
長期借入金が増加しています
前期200百万円 → 当期240百万円(+40百万円)
借入金は前期から40百万円増加していることが2期分のB/Sからわかります
これは、金融機関から新たに借入を増やしたことが分かります。
つまり、借金を増やして、その結果、在庫が増えたという残念な状態が、2期分の貸借対照表の比較から分かるわけです。
こうした現金預金の増減の原因は損益計算書からはわかりません。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
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春の1日を元気にお過ごしください。
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