個人事業主が事業を廃止した場合、消費税で注意が必要な3つのポイント ~確定申告で間違いやすい項目⑭
確定申告に関連して、個人の方からご照会があった事項です。
注意したいのは、①「届出書の提出」、②「消費税の申告」、③「みなし譲渡」の3つです
① 届出書等について
個人事業者が事業を廃止した場合には、次のとおり、消費税に関する各種届出書の提出が必要になります。
■事業廃止届出書
■消費税課税事業者選択不適用届出書
■消費税簡易課税選択不適用届出書
■消費税課税期間特例選択不適用届出書
■任意の中間申告書を提出することの取りやめ届出書
事業廃止により、「消費税課税事業者選択不適用届出書」、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」、「消費税課税期間特例選択不適用届出書」、「任意の中間申告書を提出することの取りやめ届出書」のいずれかの届出書に事業を廃止した旨を記載して提出した場合には、他の不適用届出書等および事業廃止届出書の提出があったものと取り扱われます。
また、事業廃止届出書を提出した場合には、これらの不適用届出書等の提出があったものと取り扱われます。
したがって、通常は事業廃止届出書を提出すれば、問題ありません。
② 消費税の課税事業者だった場合、申告が必要になります
消費税の個人の課税事業者が事業を廃止した場合、その廃止の日の属する課税期間に係る消費税の申告が必要です。
申告期限は、翌年の3/31までです。
③ 「みなし譲渡」というルールがあります
個人事業者が事業を廃止した場合、事業の廃止に伴い事業用資産に該当しなくなった車両等の資産は、事業を廃止した時点で家事のために消費または使用したものとして、事業として対価を得て当該資産を譲渡したものとみなされ(みなし譲渡)、消費税の課税対象となります。
この場合、当該事業を廃止した時の当該資産の通常売買される価額(時価)に相当する金額を、当該事業を廃止した日の属する課税期間の課税標準額に含める必要があります。
これは、わかりにくいルールですが、その資産の仕入れが仕入れ税額控除の対象となっていることから、対価を得て行われる資産の譲渡とみなして課税する趣旨です。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
冬の1日を元気にお過ごしください。
確定申告で間違いやすい項目
① 妻が契約者になっている生命保険の保険料、生命保険料控除の対象となりますか?
② 事業を始めた個人が、青色事業専従者に給与を支払うこととなった時の手続き
③ 事業を始めた個人が、開業準備期間中に支出した費用(開業費)
④ 年末、年内に納品した分で未請求の売掛金の記帳を忘れずに【決算】
⑤ プライベート用と事業用の混ざった支出のうち、いくらが必要経費で落とせるのか?
⑥ 中古車を購入しプライベートで使っていたが、車を事業に使った(転用)場合の減価償却費の計算
⑦ パートやアルバイトなど。2か所以上から給与をもらっている方の確定申告
⑧ 令和元年10月から変更されている「住宅ローン控除」の控除期間
⑨ 単身児童扶養者とは?「令和2年分給与所得者の扶養控除等申告書」
⑩ 確定申告や年末調整で16歳未満の扶養親族を記載する理由とは
⑬ 副業で稼いだ結果、確定申告をしなかった場合(無申告)の加算税などのペナルティ
災害を受けた個人が知っておきたい税金の負担が軽くなる仕組み
雑損控除
① 災害を受けた個人が知っておきたい税金の負担が軽くなる仕組み
③ 損失額が不明の場合には「損失額の合理的な計算方法」で算出します
⑤ 現状回復のための支出がある場合(翌年・翌々年に支出した災害関連支出)
⑥ 原状回復費用から資産の損失額を控除した残りが災害関連支出となります
⑦ 災害による控除対象となる資産とはどのような資産か?たとえば「現金」は?
⑧ 「家財の搬出費用」「ホテルの宿泊費用」は災害関連支出の対象となりますか?
⑨ 損害を受けたことにより支払い受ける保険金や損害賠償金は、損失から差し引きます
⑩ 災害年の翌年に災害関連支出をした場合には、「雑損失の金額の計算書(2年目以降)」を使用します
土曜日の「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」はお休みしました。
個人の確定申告について、次の記事を参考にしてください。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「介護事業」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日はテーマ決めずに書いています。
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