雑損控除⑥ ~原状回復費用から資産の損失額を控除した残りが災害関連支出となります
住宅の一部が災害により被害を受けました。その後、修繕をおこないました。
このケースで
すべての修繕費用が災害関連支出とならないケースがあります
災害関連支出には、原状回復費用が含まれます
災害により損壊した住宅等の取壊し費用などのほか、破損した住宅等を被災直前の状態に戻すための費用(原状回復費)も含まれます。
住宅の損失は雑損控除の対象となります
住宅は、生活に通常必要な資産であることから、その損失の金額は雑損控除の対象となります。
原状回復費は雑損控除の対象になります
原状回復のための支出は災害関連支出として損失の金額に含まれますので、災害により被害を受けた住宅等について行う原状回復のための修繕費用は雑損控除の対象となります。
資本的支出部分は損失には含まれません
しかし、災害により被害を受けた住宅等の修繕費用のうち、被災直前よりその資産の価値を高め、その耐久性を増すための支出(「資本的支出」といいます。)と認められる部分は雑損控除の対象となる損失の金額には含まれません。
原状回復部分と資本的支出部分との区分が困難な部分がある場合に注意します
その金額の 30%に相当する額を原状回復のための支出の部分の額とし、残りの額(70%に相当する金額)を資本的支出の部分の額とすることができます。
この場合に、計算された原状回復のための支出の部分の額のうち、損壊した資産の損失の金額に相当する部分は災害関連支出に含まれません。
具体例でみると
被災直前の時価 : 100万円(A)
被災直後の時価 : 60万円(B)
雑損控除の対象となる損失額 100(A)-60(B) = 40万円
住宅等の修繕のための費用
原状回復部分と資本的支出部分との区分困難な支出金額 : 300万円(C)
原状回復のための支出の部分の額 :300(C)×30% = 90万円
資本的支出のための部分の額 :300(C)×70% = 210万円
雑損控除の対象となる損失額 : 90万円
内訳は次のとおりです。
損失額40万円 + 災害関連支出50万円(90万円-40万円)
箱図で示すと次のようになります。
原状回復のための支出の部分の額 :300(C)×30% = 90万円をすべてカウントすると損失を重複してカウントすることになるからです。
(出所:東日本大震災質疑応答編)
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
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災害を受けた個人が知っておきたい税金の負担が軽くなる仕組み
雑損控除
① 災害を受けた個人が知っておきたい税金の負担が軽くなる仕組み
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⑤ 現状回復のための支出がある場合(翌年・翌々年に支出した災害関連支出)
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⑩ 確定申告や年末調整で16歳未満の扶養親族を記載する理由とは
木曜日の「相続税の記事」はお休みしました。
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