災害を受けた個人が知っておきたい税金の負担が軽くなる仕組み ~ 「雑損控除」④ 雑損控除の対象となる災害を受けた資産の範囲とは
地震や台風により災害を受けたとき、所得税の確定申告において、所得税の負担が軽減される仕組みがあります。「雑損控除」という所得控除です。
今回は
どのような資産が、災害により損害を受けた場合に雑損控除の対象となるのか?
紹介します。
考え方のルールとしては(ざっくりと)
事業用の資産は事業所得上の経費となります。それ以外の生活用の資産が雑損控除の対象となります。
ただし、別荘などの生活上必要としない資産は対象となりません。
誰の資産が対象となるのか?
雑損控除の対象となる資産は、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族注1の有する生活に通常必要な資産が対象となります。
注1:総所得金額等が 38万円以下の方が対象です
雑損控除の対象となる「生活に通常必要な資産」とは次のような資産です
■住宅(ただし、別荘などは除きます。)
■家財(家具、什器、衣服、書籍、暖房装置)など。ただし高価な書画・骨董などは除きます。
■車両(もっぱら通勤に使用しているなど、車両の保有目的、使用状況等を総合的に勘案して、生活に通常必要な資産と認められるものに限ります。)
次の資産は「雑損控除」の対象から除かれます
生活に通常必要でない資産および被災事業用資産は雑損控除の対象とはなりません。
① 競走馬(規模、収益の状況その他の事情に照らし事業と認められるものの用に供されるものを除きます。)その他射こう的行為の手段となる動産
②通常自己および自己と生計を一にする親族が居住の用に供しない家屋で、おもに趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で所有する不動産
③生活の用に供する動産でその譲渡等による所得が非課税とされないもの注1
④棚卸資産
⑤事業の用に供される固定資産
⑥繰延資産のうちまだ必要経費に算入されていない部分
⑦山林
注1:具体的には、生活の用に供する動産でその譲渡等による所得が非課税とされないものとは、生活に通常必要でない動産のほか、生活に通常必要な動産のうち1個または1組の価額が 30 万円を超える貴金属、書画、骨とうおよび美術工芸品をいいます。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
冬の1日を元気にお過ごしください。
災害を受けた個人が知っておきたい税金の負担が軽くなる仕組み
雑損控除
① 災害を受けた個人が知っておきたい税金の負担が軽くなる仕組み
③ 損失額が不明の場合には「損失額の合理的な計算方法」で算出します
確定申告で間違いやすい項目
① 妻が契約者になっている生命保険の保険料、生命保険料控除の対象となりますか?
② 事業を始めた個人が、青色事業専従者に給与を支払うこととなった時の手続き
③ 事業を始めた個人が、開業準備期間中に支出した費用(開業費)
④ 年末、年内に納品した分で未請求の売掛金の記帳を忘れずに【決算】
⑤ プライベート用と事業用の混ざった支出のうち、いくらが必要経費で落とせるのか?
⑥ 中古車を購入しプライベートで使っていたが、車を事業に使った(転用)場合の減価償却費の計算
⑦ パートやアルバイトなど。2か所以上から給与をもらっている方の確定申告
⑧ 令和元年10月から変更されている「住宅ローン控除」の控除期間
⑨ 単身児童扶養者とは?「令和2年分給与所得者の扶養控除等申告書」
⑩ 確定申告や年末調整で16歳未満の扶養親族を記載する理由とは
土曜日の「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」はお休みしました。
個人の確定申告について、次の記事を参考にしてください
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