「配偶者居住権」の価額(配偶者居住権の評価)の考え方について ~ 相続法の改正で大きく変わります⑪
金曜日は、相続税や贈与税を記事にしています。40年ぶりに相続法が改正されています。
新たに創設された制度が「配偶者居住権」です。
今回は
「配偶者居住権」の評価額の算出方法について
を紹介します。
ざっくりと次のような区分で評価をしていきます。
つまり
配偶者居住権の対象となった建物と土地についての評価額は
配偶者においては
相続税評価額を「配偶者居住権の価額(上の表で(A)の部分)」と、建物の敷地である「配偶者居住権に基づく敷地利用権の価額((B)の部分)」で評価します。
一方、所有者の財産は
建物・土地の時価からそれぞれ(A)と(B)を差し引くことにより価額を算出します。
「配偶者居住権の価額((A)の部分)」は次の算式で評価します
建物の時価-建物の時価×(残存耐用年数-存続年数)/残存耐用年数×複利現価率
※ 建物の時価は固定資産税評価額です
この算式の考え方は
①建物は、残存耐用年数の経過にしたがって、定額法に準じて減価する仮定をおきます。
②配偶者居住権が消滅する時点での建物の価額を算出します。いいかえると終了時に所有者が利用できる価値を計算します、
③②の価額を法定利率で割り戻して、所有権部分の評価額を算出します。
④建物の時価から、③を控除して配偶者居住権の価額をだします。
「配偶者居住権に基づく敷地利用権の価額((B)の部分)」は次の算式で評価します
土地の時価-土地の時価×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率
※ 土地の時価は原則として路線価または倍率等により算定した金額です
この算式の考え方は
①建物とは違い減価償却しません。
②配偶者居住権が消滅する時点での土地の価額を算出します。(相続開始時における価額に等しいと仮定します。)
③②の価額を法定利率で割り戻して、所有権部分の評価額を算出します。
④土地の時価から、③を控除して配偶者居住権に基づく敷地利用権の価額をだします。
配偶者の余命年数、残存耐用年数、将来の土地の価額などは、すべて見積りの数字です。
また、「配偶者居住権」は自由に取引される財産ではありませんので、相続税法で法定評価されています。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
秋の1日を元気にお過ごしください。
相続法の改正で大きく変わります
・18歳から「大人」。成年年齢引き下げで変わる相続税・贈与税
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㊱ 相続時精算課税と住宅取得等資金の贈与特例の併用の際、家屋に居住できないとき
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㊵ 年の中途に養子縁組で推定相続人または孫となった場合の相続時精算課税の適用
㊶ 養子縁組した養子の子(孫)は相続時精算課税を受けることとできますか?
㊸ 相続時精算課税を選択する場合の「相続時精算課税選択届出書」と添付書類
㊹ 受贈者が「相続時精算課税選択届出書」を提出する前に死亡した場合
㊺ 贈与者が贈与をした年に死亡した場合「贈与税・相続税の取扱い」の考え方
相続税をわかりやすく!
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⑩ 払いすぎた相続税を取り戻す手続き。「更正の請求」のポイント。
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⑰ 長期間結婚している夫婦間で行った居住用不動産の贈与等を保護
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金曜日は「相続税をわかりやすく!」を紹介しています。
争族を避けるための基礎知識、相続の権利でよく出てくる問題、節税の三原則などをお伝えしています。
「相続税をわかりやすく!」の記事は
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・火曜日は「平成31年度介護報酬改定の重要事項」
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