小規模宅地の特例の適用を受けることができる「貸付事業用宅地等」とは ~ 「土地の無償返還に関する届出書」とは何ですか⑮
木曜日は、法人税の記事を掲載しています。
土地所有者が土地を貸している場合に、相続があったときに小規模宅地等の特例を受けることができると、相続税の負担を軽減することができます。
つまり
土地が「貸付事業用宅地等」であれば、小規模宅地の特例の適用受けることができます
200㎡までの部分について50%の減額することができます。
前回は「特定同族会社事業用宅地等」を紹介しました。
今回は「貸付事業用宅地等」を紹介します。
土地を使用貸借している場合は、小規模宅地の特例の適用受けることができません
一方、個人が所有する賃貸している建物の敷地は、「貸付事業用宅地等」に該当し、200㎡までの部分について50%減額を受けることができます。
「貸付事業用宅地等」に該当するための要件は次のとおりです
①相続開始の直前において被相続人等の事業(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業および準事業※1に限ります。以下「貸付事業」といいます。)の用に供されていたこと
②宅地等(その相続の開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等(「3年以内貸付宅地等」といいます)※2、3を除きます。)で、次の表の区分に応じて、すべての要件の該当する被相続人の親族が、相続または遺贈により取得したこと
(出所:国税庁タックスアンサー)
※1 準事業とは
「準事業」とは、事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うものをいいます。
※2 特定貸付事業とは
相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等であっても、相続開始の日まで3年を超えて引き続き特定貸付事業(貸付事業のうち準事業以外のものをいいます。)を行っていた被相続人等のその特定貸付事業の用に供された宅地等については、3年以内貸付宅地等に該当しません。
※3 3年しばりの対象
平成30年4月1日から令和3年3月31日までの間に相続または遺贈により取得した宅地等のうち、平成30年3月31日までに貸付事業の用に供された宅地等については、3年以内貸付宅地等に該当しないものとする経過措置が設けられています。
つまり、3年しばりの対象は、平成30年4月1日以後に新たに貸付事業も供された宅地等のみになります。
使用貸借となっている土地は、事業の用に供されていません
つまり、「貸付事業用宅地等」に該当しませんので、小規模宅地の特例の適用受けることができません。
その対策として、たとえば土地を賃貸借契約にして
土地の無償返還に関する届出書を提出している場合は、その土地は貸宅地の評価になります。
つまり、その土地の相続税評価額を、自用地評価額から20%減額することができるとともに、貸付事業用宅地等として小規模宅地の特例の適用(200㎡までの部分について50%の減額)受けることができます。
《参照記事》
→ 貸し付けた土地に小規模宅地等の特例を適用した場合と適用できなかった場合
→ 小規模宅地の特例の適用受けることができる「特定同族会社事業用宅地等」とは
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
秋の1日を元気にお過ごしください。
創業者には、事業を着実に成長させるために、決算書の会計データを計器盤として利用することをおすすめしています。次のようなサービスを提供しております。
▶ 創業起業サポート 「創業者応援クラウド会計サービス」と「顧問相談クラウドサービス」
お伺いして、会計処理や税務の相談や提案などさせていただくサポートサービスを提供しております。
「土地の無償返還に関する届出書」とは何ですか?
② 土地の無償返還に関する届出書とは、借地権の認定課税を避ける方法です
③「土地の無償返還に関する届出書」が提出されている場合の借地権の評価
④ 土地の無償返還届出書が提出されている場合の課税関係のまとめ
⑤「土地の無償返還に関する届出書」を提出することができない場合
⑥ 土地賃貸借の同族関係者間(個人×法人)の地代課税の考え方
⑧ 借地上の「建物の取り壊し費用」は、借地権の取得価額に含めます
⑨ 無償で借地権を返還した場合(個人地主×法人借地人)の取扱い
⑩ 土地の無償返還に関する届出書を提出した後も、税法以外の法律に注意します
⑬ 貸し付けた土地に小規模宅地等の特例を適用した場合と適用できなかった場合
⑭ 小規模宅地の特例の適用受けることができる「特定同族会社事業用宅地等」とは
木曜日は「知っておきたい法人節税策の基礎知識」を載せています
・飲食費のうち、会議費・交際費・福利厚生費として認められるもの
・退職金が節税につながる三つのメリット。税制上大変優遇されています
・消費税、持ち帰り(テイクアウト)と店内飲食の税込価格を一律にする方法
・貸倒引当金~一定の要件をみたせば債権の50%を経費計上できます
・保険契約は出口を考える。解約時に保険金収入を退職金で打ち消す
・2年しばり(継続適用)の「消費税の選択届出書」には注意します
・消費税の課税売上割合が95%未満の場合は、納税額が増えます
・消費税「個別対応方式」がいいのか「一括比例配分方式」がいいのか?
・資格取得や免許取得などの研修費用や技能習得費は会社経費にします
・費用?減価償却?資産を買ったときは請求書の中身を確認します
・法人税と所得税の税率の比較から、オーナー企業の役員報酬額を考えます
・従業員の退職金を事業年度ごとに損金にする「中小企業退職金共済」
・これからの長期平準定期保険の取扱いおよび改正後で全額損金算入のもの
・最高解約返戻率50%超の保険は、保険料の一部を資産計上します
・法人が支払う第三分野保険の保険料の取扱いが変更されています
・法人契約の個人年金保険の取扱い。資産になるケースと損金になるケース
同族会社とその役員間の税務ルール」を紹介しています。
http://www.y-itax.com/category/houjin/
あてはまる事例を参考にしてくださいね。
土地貸借の税務ルール
・「会社が、社長から土地を借りる」と税金の問題が発生します」はこちら(1/24)
・「会社が権利金を支払うケース」はこちら(1/31)
・「会社が相当の地代を支払うケース」はこちら(2/7)
・「権利金に代えて、相当の地代に満たない地代を支払うケース」はこちら(2/21)
・「無償返還に関する届出書を提出すると認定課税は行われません」はこちら(2/28)
土地売買の税務ルール
・「会社が社長から土地を買う。その時の時価をどう算定するか」はこちら(12/13)
・「会社が社長から土地を買う。社長と会社の税金はどうなりますか?」はこちら(12/20)
・「会社が、社長から低額で土地を買うと税金の問題が発生します」はこちら(12/27)
・「会社が、社長から高額で土地を買うと…」はこちら(1/3)
・「社長が、会社から低い価額で土地を買うと…」はこちら(1/10)
・「社長が、会社から時価より高い価額で土地を買うと…」とはこちら(1/17)
建物貸借の税務ルール
・「会社が社長から建物を借りる」はこちら(10/11)
・「会社が社長から建物を借りる、社長の税金」はこちら(10/18)
・「社長が会社から建物を借りる、家賃のルール」はこちら(10/25)
・「社長が会社から建物を借りる、低額家賃の場合」はこちら(11/1)
金銭貸借の税務ルール
・「会社が社長からお金を借りる」はこちら(11/8)
・「会社が社長からお金を借りる、高金利の場合」はこちら(11/15)
・「会社が社長からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(11/22)
・「社長が会社からお金を借りる」はこちら(11/29)
・「社長が会社からお金を借りる、無利息の場合」はこちら(12/6)
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成31年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「知っておきたい法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は特にテーマを決めずに書いてます
免責
ブログ記事は、投稿時点での税法等に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。