建設業に特有の勘定科目「未成工事支出金」とは ~ 中小企業の「決算書」の読み方入門⑫
経営者にとって必要な“会計”を紹介しています。
経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方を、経営者の方が会社の数字をざっくり理解して、融資や経営に活かせる会計の考え方を紹介していきます。
建設業の場合、特別な名称の勘定がでてきて、分かりづらいです。
たとえば未成工事支出金とは
完成前の作りかけの建物や設備に振り替わっているお金のことです。
ざっくりといえば、棚卸資産になります。
建設業の場合、これを「未成工事支出金」といいます。
未成工事支出金は資産ですので、決算書では資産が増加すれば、利益は増えます。
工事完成前に支出した費用は「未成工事支出金」勘定で処理します
未成工事支出金とは、具体的には、建設工事に必要な材料や外注費、足場や廃材処分費など工事原価となるものを、未完成の間に会計処理しておく科目になります。
工事が完成したら「費用」になります。
一方、建設業の場合、前受金を「未成工事受入金」といいます
これは負債です。
完成してない工事について、さきに受け取ったお金を「未成工事受入金」といいます。
長期間にわたって、工事を進めるわけですから、発注元から資金を先に借り入れているようなものです。
未成工事支出金 = 未成工事受入金
両者はだいだい同金額にならないと理屈にあいません。つくりかけの建物などにかかるお金を前もってもらうわけですから、通常、未成工事支出金 < 未成工事受入金にはならないはずです。
あと紛らわしい科目としては
「完成工事未収入金」とは
これは、すでに工事が完成しており、お金が未収となっている状態ですので、資産に計上します。
「工事未払金」とは
これは、すでにサービスやものを購入などしており、たんに支払っていないものです。
負債に計上します。
《参照記事》
→ 在庫の過大計上は、資産が増えるわけですから「利益」が増えます
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
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「中小企業」決算書の読み方入門
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