家を取り壊しても、固定資産税の評価額がそのまま課税対象となるわけではありません ~ 空き家問題③
空き家が増える要因のひとつとして、固定資産税において「住宅用地の特例(固定資産税の軽減)」の取扱いがあります。
そのため、空家法により空き家が立っている土地を「住宅用地の特例」からはずすという対策をつくったわけです。
つまり
市町村が倒壊等の危険がある空き家として特定空家等として指定して勧告すると、住宅用地の特例からはずれます
つまり、固定資産税が高くなるということです。
《参照記事》
また、住宅用地の特例については
「住宅用地の特例」を受けるために、現に人がすんでいる必要はありません
住宅用に作られた家屋が建っていれば、空き家でも住宅用地の特例を受けることができます。
《参照》地方税法第349条の3の2
住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例
専ら人の居住の用に供する家屋またはその一部を人の居住の用に供する家屋で政令で定めるものの敷地の用に供されている土地(空家法により所有者等に対し勧告がされた特定空家等の敷地の用に供されている土地を除く)に対して課する固定資産税の課税標準は、(略)当該住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の3分の1の額とする。
では家を取り壊したどうなるのでしょうか?(空き地にしたらどうなるのでしょうか?)
建物を取り壊しても、原則として、評価額の7/10を課税標準にして固定資産税を計算します。非住宅用地において、固定資産税の評価額がストレートに課税標準になるわけではありません。次のような取扱いになります。
非住宅用地の税負担の調整措置の取扱いがあります
住宅用地と認定されていない宅地等(建築中を含む。)を対象に負担水準の区分に応じて、調整措置があります。
負担水準 = 前年度の課税標準 ÷ 今年度の評価額
(出所:西宮市「固定資産税の評価と税について」平成31年度用)
固定資産税の条例減額制度
また、市町村によっては、条例による固定資産税の条例減額制度があります。
年度の評価額に60%以上70%未満の範囲内において市町村の条例で定める割合を乗じて得た額×税率」を上回る時は、上回る税額を減額できます。
つまり、住宅用の家屋を壊した場合にも、評価額×7/10の税負担の調整措置が適用されます
非住宅用地の税額は次のようになります
固定資産税 = 評価額× 7/10× 1.4%(税率)
都市計画税 = 評価額× 7/10× 0.3%(税率)
ようするに
空き家のままでも「住宅用地の特例」を受けることができ、家を取り壊して空き地にしても税負担の調整措置の適用を受けることができます。
空き家問題の記事
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