土地の共有が「売却」とみなされるケース ~ 相続法の改正で大きく変わります⑤
金曜日は、相続税や贈与税を記事にしています。40年ぶりに相続法が改正されています。
遺留分で相続法が改正されています。
その改正の影響を受けて、土地を売却したとみなされて譲渡所得税がかかるケースがあります
遺留分とは
相続人が最低限受け取ることのできる権利(財産)が遺留分です。
ただし、遺留分を有する相続人は、配偶者、子、直系尊属です。兄弟姉妹には遺留分はありません。
遺留分の割合は次のように定められています
①直系尊属のみが相続人であるときは、3分の1
②その他の場合は、2分の1
《参照記事》遺留分とは
遺留分減殺制度が変わります。遺留分を金銭債権化します。(現金請求に一本化)
ひとことで言うと、遺留分に満たない分について現金で請求することになりました。
《参照記事》
これにともない思わぬ譲渡所得税課税が発生することになります
たとえば、次のようなケースです
被相続人:母親A
相続人:長男B、次男C
相続財産:土地(8千万円)
■被相続人Aの遺言により全財産である土地を、長男Bに遺贈する。
■次男Cは長男Bに対して遺留分侵害額の請求をします(遺留分は2,000万円)
長男Bに支払うべき金銭(2,000万円)が用意できない場合
そのかわりに土地の4分の1について、名義を次男Cに変更することにより、解決しようとした場合には
長男は土地を売却したとみなされて譲渡所得税が課税されます
ざっくりと税額は(所有期間は5年超)
(2,000-2,000×5%)×20.315%=約390万円(所得税・住民税)
《参考》所得税基本通達33-1の6
遺留分侵害額の請求に基づく金銭の支払に代えて行う資産の移転
民法第1046条第1項《遺留分侵害額の請求》の規定による遺留分侵害額に相当する金銭の支払請求があった場合において、金銭の支払に代えて、その債務の全部または一部の履行として資産(当該遺留分侵害額に相当する金銭の支払請求の基因となった遺贈又は贈与により取得したものを含む。)の移転があったときは、その履行をした者は、原則として、その履行があった時においてその履行により消滅した債務の額に相当する価額により当該資産を譲渡したこととなる。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
秋の1日を元気にお過ごしください。
相続法の改正で大きく変わります
・18歳から「大人」。成年年齢引き下げで変わる相続税・贈与税
これならわかる相続税
② 相続税がかかる財産。相続税のかかる財産の範囲を確認しましょう
⑤ 死亡保険金は相続財産になる?相続税がかかる場合と計算方法
⑦ 弔慰金を受け取ったとき、相続税がかかる場合とその計算方法
⑧ 企業年金など被相続人の死亡により取得する年金受給権。相続税の3つのポイント
⑭ 相続財産を公益法人などに寄附したとき相続税の対象としない特例があります
⑮ 特定一般社団法人等の理事が亡くなった場合、法人に相続税が課税されます
⑳ 相続開始前3年以内の贈与財産の加算と贈与税額控除(暦年課税)
㉑ 「未成年者の税額控除」未成年者の相続で注意すべきポイント
㉒ 障害者税額控除
㉓ 10年以内に父と母が立て続けになくなったなど、連続で相続が発生した場合
㉔ 法定相続人の数は重要です。相続人の中に養子がいるときは注意です
㉕ 代償分割とは、遺産の現物分割が困難な場合に行われる方法です
㉙ 財産がいくら以上であるとかかるのか?いつまでに手続きをするのか?
㉛ 相続時精算課税は相続税のかからない方に有利な贈与税の制度です
㉟ 相続時精算課税と住宅取得等資金の贈与の特例は併用できます
㊱ 相続時精算課税と住宅取得等資金の贈与特例の併用の際、家屋に居住できないとき
㊲ 消費税増税に伴い、住宅取得等資金贈与の非課税限度額が引き上げられています
㊳ 相続時精算課税選択後、相続税の基礎控除額以下であれば相続税の申告は不要です
㊴ 贈与者が贈与した年の中途に死亡した場合、相続時精算課税選択届出書の提出
㊵ 年の中途に養子縁組で推定相続人または孫となった場合の相続時精算課税の適用
㊶ 養子縁組した養子の子(孫)は相続時精算課税を受けることとできますか?
㊸ 相続時精算課税を選択する場合の「相続時精算課税選択届出書」と添付書類
㊹ 受贈者が「相続時精算課税選択届出書」を提出する前に死亡した場合
㊺ 贈与者が贈与をした年に死亡した場合「贈与税・相続税の取扱い」の考え方
相続税をわかりやすく!
② 遺産の分割が決まらないときでも、相続税の申告期限が延びることはありません。
③ 亡くなった方が遺言を残していなかった場合は、遺産分割協議書を作成します。
⑩ 払いすぎた相続税を取り戻す手続き。「更正の請求」のポイント。
⑪ 子どもがいる人が再婚したとき、連れ子は遺産を受け取る権利はありません。
⑰ 長期間結婚している夫婦間で行った居住用不動産の贈与等を保護
㉑ 遺言よりも登記を優先。銀行など第三者が貸付金を回収しやすくなります
⑭ 相続財産を公益法人などに寄附したとき相続税の対象としない特例があります
金曜日は「相続税をわかりやすく!」を紹介しています。
争族を避けるための基礎知識、相続の権利でよく出てくる問題、節税の三原則などをお伝えしています。
「相続税をわかりやすく!」の記事は
http://www.y-itax.com/category/souzoku/
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成31年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日はテーマを決めずに書いてます
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