見直し後「食費の基準費用額」でも、施設では約4%の費用の持ち出しになります ~ 消費税10%対応 10月改定
2019年10月の消費税率の10%への引き上げとともに、「食費・居住費の基準費用額」が改定されています。
改正の告示です。
指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示
「厚生労働省告示第百一号 介護保険法の規定に基づき、指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を次の表のように改正し、平成三十一年十月一日から適用する。」
そもそも「食費・居住費の基準費用額」とは
介護保険では、食費・居住費は保険給付されません。特別養護老人ホームなど入所者自身が負担します。もし、施設入所者に食費・居住費が介護保険から給付されると、居宅で訪問サービスなど利用している方は、食費・居住費は自己負担していますので、不公平になります。
したがって、施設入所者が負担する食費や居住費は、施設と入所者との間の契約で決められます。
しかし、その負担が過重とならないよう、国が食費・居住費かかっている費用(実費)を「食費・居住費の基準費用額」として定めているわけです。
「基準費用額」の考え方は、次の図の黄色部分になります
見直し後の食費の基準費用額は、月額42,317円(次の図の赤枠部分)になります
図の中で、平成29年度の介護事業経営実態調査による食費は
月額43,644円です。(平成28年度の収支)
現行の見直し前の基準費用額が41,952円。見直し後の基準費用額は42,317円です。
見直し後の基準費用額でも、平成28年度の実費43,644円に満たないものとなっています。
つまり
A 平成29年度実態調査食費 43,644円
B 【見直し前】基準費用額 41,952円
C 【見直し後】基準費用額 42,317円
A-C= ▲1,327円です。見直し後においても施設の持ち出しは3%ほどになっています。
今回の消費税の引き上げを考慮した食費(次の図の黄色部分)は44,037円です
次の図中の黄色部分が44,037円※です。
※ 給与費(通勤手当を除く)および給食材料費を除いて消費税率引上げの影響を考慮した額
(出所:介護給付費分科会資料)
A 消費税の引き上げの影響を考慮 44,037円
C 【見直し後】基準費用額 42,317円
A-C= ▲1,720円です。
見直し後においても、消費税の引き上げを考慮すると施設の持ち出しは、4%ほどになります。さらに持ち出しが増えています。
今回の消費税の引き上げが2%です。持ち出しが約4%という割合は、大きなものになると考えます。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
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秋の1日を元気でお過ごしください。
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火曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬改定」として記事を紹介しています。
ブログ記事は
http://www.y-itax.com/category/kaigo/
介護職員等特定処遇改善加算(2019年10月実施)
④ 勤続10年以上の介護福祉士がいない「経験・技能のある介護職員」のルール
⑦ 特定処遇改善加算と処遇改善加算を合計した上乗せ率、最上位20%
⑧ 改善計画書作成2つのポイント。「特定加算の見込額」と「賃金改善の見込額」
⑨ 改善計画書の作成ポイント「各々のグループの平均賃金改善額を算出」
⑩ 改善計画書の作成ポイント。3要件のうち「職場環境等要件」とは
⑬ 4月から“年5日の年次有給休暇取得の義務”をご存じですか
⑭ 2019年4月から「労働時間の状況の把握」が義務化されています
⑮ 「職場環境等要件」と介護プロフェッショナルキャリア段位制度
⑯ 特定加算(Ⅱ)の算定にあたっては介護福祉士の配置等要件は満たす必要はない
2025年に向けた介護人材の確保~介護人材確保の具体的な方策
③ なぜ、介護職は働き続けるためのキャリアパスの構築ができないのか?
④ 介護職に必要なキャリアパスのキーワードは「多職種によるチームケアの推進」
⑨ 介護の在留資格。外国人の在留資格「特定技能」(介護)の創設
平成31年度の介護報酬改定(2019年10月実施)
② 高額対応投資
⑪ 新処遇改善加算の「10年以上8万円」と「事務所内での配分」の議論
⑬ 介護給付費分会での「新しい処遇改善加算の取得要件」についての意見
平成30年度
「有料老人ホームなど特定施設入居者生活介護」の介護報酬改定は次のとおりです。
① 「新しい住宅セーフティネット法」が10月25日から施行されています
④ 有料老人ホームなど基本報酬の引上げを抑え、医療連携に新加算
⑩ ショートステイ特定施設入居者生活介護の利用者数の上限見直し
⑫ スプリンクラー設置義務の経過措置は平成30年3月31日に終了
「通所介護」の重要事項は次のとおり。
⑤ 「栄養改善加算」外部との連携で管理栄養士を配置した場合にも算定可能
⑥ 共生型生活介護など介護と障害福祉の両方で共生型サービスが始まっています。
⑧ 障害福祉サービス事業所が要介護者にサービスを提供する場合
「認知症対応型共同生活介護」重要事項は次のとおり
「介護老人保健施設」重要事項は次のとおり
① 類型が大きく見直されました。在宅復帰・在宅療養支援等指標が導入。
② 介護老人保健施設の役割は在宅復帰・在宅療養支援。基本報酬体系が大幅に見直し
③ 在宅復帰率が低くても在宅復帰・在宅療養支援機能加算Ⅰを算定し「加算型」で増収
「訪問看護」重要事項は次のとおり
① 基本報酬の見直しで要支援者向けの報酬体系を新設。リハビリ職の訪問が報酬減。
② 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し
③ 中重度者対応やターミナルケア促進するため看取りや24時間対応を評価します
④ 複数名訪問加算〝複数名による訪問看護に係る加算の実施者の見直し〟
「居宅介護支援」重要事項は次のとおり
② 入院時情報連携加算(Ⅰ:月200単位、Ⅱ:月100単位)の見直し
③ ケアプラン初回作成の手間が評価された退院・退所加算の見直し
⑤ 改定の目玉 医療・介護連携を促進する観点で新設された特定事業所加算Ⅳ
⑥ 主任ケアマネジャーであることを管理者要件とする管理要件の見直し
「訪問介護サービス」重要事項は次のとおり
⑥ 訪問回数の多いケアプランは市町村に提出し、地域ケア会議で検討を義務付け。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
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・木曜日は「法人節税策の基礎知識」
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・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
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