貸借対照表の「純資産」がプラスになっていますか? ~ 中小企業「決算書」の読み方入門⑤
土曜日は、経営者にとって必要な“会計”を紹介します。
経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方を、経営者の方が会社の数字をざっくり理解して、融資や経営に活かせる会計の考え方を紹介していきます。
損益計算書の「利益」や「損失」を見るのではなく、貸借対照表の純資産がプラスになっているかどうか?が大切です
貸借対照表の純資産とは、言い換えれば「自己資本」です
純資産(自己資本)とは、会社が設立されてから現在までの利益の蓄積(内部留保)をあらわしています。
貸借対照表は、次のような箱図(イメージ)であらわすことができます。
純資産 > 負債の状態で
純資産の割合が大きく安全な状態です。
純資産 < 負債の状態で
負債の割合が大きく、少し不安定な状態です。
さらに貸借対照表の「純資産」にフォーカスすると、次のように大切なことがわかります。
貸借対照表の純資産が次のようなものであれば、設立から利益を蓄積していることがわかります
債務超過の場合
次のような純資産であれば、会社は設立から現在まで累積の赤字の状態です。累積の赤字が68百万円です。
「債務超過」とは、「純資産」がマイナスの状態です。
債務超過とは、財政状態を表す貸借対照表が次のような状態になっている状態をいいます。
毎期の損益計算書に計上した赤字が累積することによりマイナスとなった利益剰余金が資本金を食いつぶし、純資産の合計額がマイナスになっている状態です。
言い換えますと、負債が資産を上回っている状態(負債>資産)であり、全部の資産を売り払っても、負債を支払うことができない危険な状態です。
原則として、融資対象から外れます。
債務超過ではないが、赤字体質が続く状態
資本金が60百万円で債務超過ではありません。
しかし、繰越損失の50百万円の状態です。きわめて危険な状態であることがわかります。
このまま続くと、債務超過になる可能性が高いです。
損益計算書の利益や損失より、貸借対照表の純資産がどうなっているかをチェックする方が大切になります。
会社の〝純資産〟の金額が「会社の価値」をあらわしているからです。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
秋の1日を元気にお過ごしください。
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「中小企業」決算書の読み方入門
4 資金繰り表から見る、設備資金として借り入れることができる妥当な金額とは
経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方
3 売上高はどう読むか?3~5年程度の推移の中で判断しましょう。
4 売上総利益は率をチェックしましょう。大切なことが分かります。
5 会計では売上原価と在庫はセットで考えます。在庫は要注意。
9 本来の事業でどれだけ稼げているか?がわかるのが営業利益。
12 PLの中の5つの利益のうち、4つめの利益が税引前当期純利益
13 5つめの利益が当期純利益。会社が1年間で得た最終的な利益です。
14 貸借対照表の見方~お金の動かしやすいものから、上から順にならびます。
15 流動資産の3つの区分~資産でないものが含まれています。
19 販管費のうちの人件費。ポイントになるのは「役員報酬」です
21 貸付金のうち、中小企業で最も多いのは社長への役員貸付金
22 開業費などの繰延資産の考え方。繰延費用と考える方がわかりやすい。
23 売掛金の回収サイトのチェックポイント。介護事業の回転月数は約2.5月。
25 在庫の過大計上は資産が増えるわけですから「利益」が増えます。
26 高額な仮払金・立替金などは決算書に計上してはいけません
27 債務の計上はもれてしまいます。計上もれを防ぐための方法
32 創業者の9割は決算書を見ていない。はじめての決算書6つのチェックポイント
37 月次試算表のチェック方法① 現預金の残高からチェックします
38 月次試算表のチェック方法② 次に利益剰余金と売掛金
39 月次試算表のチェック方法③ 棚卸資産と貸付金
40 月次試算表のチェック方法④ 負債科目の買掛金と未払金
41 月次試算表のチェック方法⑤ キャッシュフローをつかむ
42 月次試算表のチェック方法⑥ 損益計算書のチェックポイント
43 月次試算表のチェック方法⑥ 損益計算書「売上」のチェックポイント
44 借入金の返済額のうち元金は、損益計算書に計上されません!
48 事業の変化を見るには、数字を見る以外にありません。年計表を活用します
53 粗利率とは何ですか?
銀行はいかに企業を評価するか?評価を上げて資金調達を有利にする方法
③ 金融機関が取引先の将来性を判断する際のポイント「技術力」
⑤ 金融機関が取引先を判断する際のポイント「代表者個人の信用力」
⑧ 今後の再建可能性を銀行が判断する際のポイント「本業の収益力」
⑩ 信用保証協会の保証により融資保全されている場合は条件変更が行いやすい
⑫ 経営改善計画の策定とその具体的な実行があれば、不良債権にはなりません
⑬ 大幅な赤字や債務超過でも、キャッシュフローの状況で判断します
⑯ 債務超過でも商品実績や新規販売経路の開拓に見込がある中小企業は評価されます
⑰ 経営改善計画を策定していない場合でも、経営改善に向けた取り組みが評価されます
⑱ 外部要因にともなう一時的な影響による計画未達に対する評価とは
⑳ 貸出条件の変更を行っても不良債権にならない場合となる場合
㉑ 担保・保証で保全されている場合には、不良債権にはなりません
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ブログ記事はhttp://www.y-itax.com/category/keiri/
会計超理解ハンドブック(No1~No17)
② 財務三表とは?
⑨ 減価償却費って何ですか?
⑪ 決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイントは純資産です。
⑬ C/F計算書のチェックポイントは「営業キャッシュフロー」です。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成31年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日はテーマを決めずに書いています
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