申告期限までに遺産分割協議がまとまらない場合の対策とは ~ これならわかる相続税㉚
金曜日は「相続税をわかりやすく!」です。
相続税の申告期限が延びることはありません
相続税の申告と納税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に、被相続人の住所地を所轄する税務署に行うことになっています。
相続財産が分割されていない場合であっても、相続税の申告は期限までにしなければなりません。
分割されていないという理由で相続税の申告期限が延びることはありません。
遺産分割協議が10か月以内にまとまらない状態を未分割といいます
こうような場合は、次のような手続きになります。
①亡くなった日から10か月以内(相続税の申告期限)
相続税の申告書と「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出します
未分割の場合は、相続人が法定相続分で相続したとして、いったん申告と納税を行います。この時点では、「配偶者の税額軽減の特例」や「小規模宅地等の特例」などの適用は受けられません。
しかし、申告書と一緒に「3年以内の分割見込書」を提出します。
申告期限後3年以内に分割協議をとりまとめて、手続きを行えば特例の適用を受けることができます。
②申告期限から3年以内
「更正の請求(還付)」と「修正申告(納付)」を行います
分割協議がまとまったら、その内容に基づき相続税を再計算します。
要件を満たしていれば特例の適用は受けることができます。
■「更正の請求」とは、初めに申告した税額よりも実際の分割に基づく税額が少ない場合にします。
■「修正申告」は、最初に申告した税額よりも実際の分割に基づく税額が多い場合にします。
③亡くなった日から4年以内
「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出
相続等に関する訴えが提起されているなど一定のやむを得ない事情がある場合において、②の期限までに分割協議がまとまらないときは、亡くなった日から4年以内に「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出します。
この申請について、税務署長の承認を受けた場合には、判決の確定の日など一定の日の翌日から4か月以内に分割されたときは、「配偶者の税額軽減」などの特例の適用を受けることができます。
Every day is a new day!
春の1日を元気にお過ごしください。
相続税の問題や将来の相続の問題のご相談をお伺いしております。
問題をお伺いしたうえで、税務の専門家として、丁寧にアドバイスさせていただきます。
これならわかる相続税
② 相続税がかかる財産。相続税のかかる財産の範囲を確認しましょう
⑤ 死亡保険金は相続財産になる?相続税がかかる場合と計算方法
⑦ 弔慰金を受け取ったとき、相続税がかかる場合とその計算方法
⑧ 企業年金など被相続人の死亡により取得する年金受給権。相続税の3つのポイント
⑭ 相続財産を公益法人などに寄附したとき相続税の対象としない特例があります
⑮ 特定一般社団法人等の理事が亡くなった場合、法人に相続税が課税されます
⑳ 相続開始前3年以内の贈与財産の加算と贈与税額控除(暦年課税)
㉑ 「未成年者の税額控除」未成年者の相続で注意すべきポイント
㉒ 障害者税額控除
㉓ 10年以内に父と母が立て続けになくなったなど、連続で相続が発生した場合
㉔ 法定相続人の数は重要です。相続人の中に養子がいるときは注意です
㉕ 代償分割とは、遺産の現物分割が困難な場合に行われる方法です
㉙ 財産がいくら以上であるとかかるのか?いつまでに手続きをするのか?
相続税をわかりやすく!
② 遺産の分割が決まらないときでも、相続税の申告期限が延びることはありません。
③ 亡くなった方が遺言を残していなかった場合は、遺産分割協議書を作成します。
⑩ 払いすぎた相続税を取り戻す手続き。「更正の請求」のポイント。
⑪ 子どもがいる人が再婚したとき、連れ子は遺産を受け取る権利はありません。
⑰ 長期間結婚している夫婦間で行った居住用不動産の贈与等を保護
㉑ 遺言よりも登記を優先。銀行など第三者が貸付金を回収しやすくなります
⑭ 相続財産を公益法人などに寄附したとき相続税の対象としない特例があります
金曜日は「相続税をわかりやすく!」を紹介しています。
争族を避けるための基礎知識、相続の権利でよく出てくる問題、節税の三原則などをお伝えしています。
「相続税をわかりやすく!」の記事は
http://www.y-itax.com/category/souzoku/
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「新事業承継税制特例のポイント解説」
・木曜日は「法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合は、専門家と相談の上、行ってください。