介護職のグループリーダーが担うべき役割と能力~ 2025年に向けた介護人材の確保⑤
社会保障審議会の福祉部会福祉人材確保専門委員会は、「2025年に向けた介護人材確保の具体的な方策について」という資料で、介護分野における総合的な人材確保方策を取りまとめています。
それを踏まえて、同委員会は平成29年に「介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの実現に向けて」で、限られた人材について有効な活用を図るため
介護職のグループにおけるリーダーが担うべき役割と求められる能力
を具体的に明示しています。
なぜ、その役割と能力が必要とされるのか?
その背景として実現すべき介護の提供体制を次のように考えているからです
■組織的な対応が必要
限られた人材で利用者のニーズに対応していくためには、介護職がグループで関わっていくことが重要になります。
■グループのマネジメントを担う者が必要です
介護未経験者から介護福祉士まで多様な人材がいます。グループ内の介護職に対する指導や助言、サービスが適切に提供されているかの管理など、人材およびサービスの質のマネジメントを担う者が必要になっています。
■介護福祉の専門職として担うべき役割
介護報酬におけるサービス提供体制強化加算など、介護福祉士の配置割合が一定割合以上の状況を評価する加算が設けられています。
介護福祉士は、介護福祉の専門職として担うべき役割があります。
■キャリアを積んだ介護福祉士の役割が大きい
介護職のグループによるケアを推進していくにあたっては、その中でリーダーの役割を担う者が必要です。
リーダーが担うべき役割と求められる能力とは
■グループで提供する介護サービスの質を向上させる必要があります
ストラクチャーとプロセスの両面の観点から、キャリアを積んだ介護福祉士の役割が発揮されるための環境作りをする必要があります。
■介護の実践者としての役割
認知症の症状に応じた対応、医療やリハビリの必要性が高い方への対応、終末期の方に対する看取りを含めた対応、障害の特性に応じた対応、複合的な支援ニーズを抱える家族等への対応といった役割があります。
■介護の実践者として求められる能力
利用者の心身の状況等に係る観察力、利用者の状態に応じて適切な対応ができる判断力、認知症の症状や病状等に応じた介護等を提供できる業務遂行力、様々な職種と連携しながら栄養状態の把握や口腔ケア、機能訓練などの業務を遂行できる多職種連携力といった能力が求められます。
■介護技術の指導者としての役割
グループ内の介護職に対する介護技術の指導や助言やその能力を引き出す支援(適切な業務・役割の配分やスーパーバイズ)といった役割があります。
■介護技術の指導者として求められる能力
利用者のQOLの向上に資するエビデンスに基づいた介護技術の指導・伝達により後進の育成ができる指導力、個々の介護職員の意欲・能力の把握とそれに応じて能力を開発していく人事管理能力といった能力が求められます。
■介護職グループにおけるサービスをマネジメントする役割と求められる能力
介護過程の展開における介護実践の管理、グループ内の介護職のフォロー、様々な職種や機関からの利用者に関する情報収集と共有、介護職のグループからの情報提供といった役割があります
このため、介護計画等に沿った介護が提供されているかをそのサービスの質とともに把握し、その向上・改善に向けた対応ができる力、多職種・多機関の間で適切に情報のやりとりができる連携力といった能力が求められます。
(出所:平成29年10月4日 同委員会資料「介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの実現に向けて」)
どの業界、どう業種でも、グループリーダーが組織の要(かなめ)となります。
とくにグループでの取り組みによりサービスを提供する介護事業では、その役割はさらに重要です。
こうしたグループリーダーが、新たな処遇改善加算の対象者になっているわけです。
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火曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬改定」として記事を紹介しています。
ブログ記事は
http://www.y-itax.com/category/kaigo/
2025年に向けた介護人材の確保~介護人材確保の具体的な方策
③ なぜ、介護職は働き続けるためのキャリアパスの構築ができないのか?
④ 介護職に必要なキャリアパスのキーワードは「多職種によるチームケアの推進」
平成31年度の介護報酬改定(2019年10月実施)
② 高額対応投資
⑪ 新処遇改善加算の「10年以上8万円」と「事務所内での配分」の議論
⑬ 介護給付費分会での「新しい処遇改善加算の取得要件」についての意見
平成30年度
「有料老人ホームなど特定施設入居者生活介護」の介護報酬改定は次のとおりです。
① 「新しい住宅セーフティネット法」が10月25日から施行されています
④ 有料老人ホームなど基本報酬の引上げを抑え、医療連携に新加算
⑩ ショートステイ特定施設入居者生活介護の利用者数の上限見直し
⑫ スプリンクラー設置義務の経過措置は平成30年3月31日に終了
「通所介護」の重要事項は次のとおり。
⑤ 「栄養改善加算」外部との連携で管理栄養士を配置した場合にも算定可能
⑥ 共生型生活介護など介護と障害福祉の両方で共生型サービスが始まっています。
⑧ 障害福祉サービス事業所が要介護者にサービスを提供する場合
「認知症対応型共同生活介護」重要事項は次のとおり
「介護老人保健施設」重要事項は次のとおり
① 類型が大きく見直されました。在宅復帰・在宅療養支援等指標が導入。
② 介護老人保健施設の役割は在宅復帰・在宅療養支援。基本報酬体系が大幅に見直し
③ 在宅復帰率が低くても在宅復帰・在宅療養支援機能加算Ⅰを算定し「加算型」で増収
「訪問看護」重要事項は次のとおり
① 基本報酬の見直しで要支援者向けの報酬体系を新設。リハビリ職の訪問が報酬減。
② 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し
③ 中重度者対応やターミナルケア促進するため看取りや24時間対応を評価します
④ 複数名訪問加算〝複数名による訪問看護に係る加算の実施者の見直し〟
「居宅介護支援」重要事項は次のとおり
② 入院時情報連携加算(Ⅰ:月200単位、Ⅱ:月100単位)の見直し
③ ケアプラン初回作成の手間が評価された退院・退所加算の見直し
⑤ 改定の目玉 医療・介護連携を促進する観点で新設された特定事業所加算Ⅳ
⑥ 主任ケアマネジャーであることを管理者要件とする管理要件の見直し
「訪問介護サービス」重要事項は次のとおり
⑥ 訪問回数の多いケアプランは市町村に提出し、地域ケア会議で検討を義務付け。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「新事業承継税制特例のポイント解説」
・木曜日は「法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」
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