相続財産を公益法人などに寄附したとき相続税の対象としない特例があります ~ これならわかる相続税⑭
金曜日は相続税をわかりやすく!
相続や遺贈によって取得した財産を、国や地方公共団体に寄附した場合は、その寄附をした財産や支出した金銭は相続税の対象とはなりません。
特定の公益を目的とする事業を行う特定の法人などに寄附した場合も相続税の対象となりません
また、公益信託の信託財産とするために支出した場合も、同じです。
「国や特定の公益法人に対して相続財産を寄附した場合の非課税の特例」です
特例を受けるには、次のすべての要件に該当する必要があります。
①寄附した財産は、相続や遺贈によって取得した財産であること(相続や遺贈で取得したとみなされる生命保険金や退職手当金も含まれます)。
②相続財産を相続税の申告書の提出期限までに寄附すること。
③寄附した先が国や地方公共団体または教育や科学の振興などに貢献することが著しいと認められる特定の公益を目的とする事業を行う特定の法人であること(宗教法人は不可)。
④設立するための財産提供は含みません。
特例の適用手続については
相続税の期限内申告書に非課税の特例の適用を受ける旨を記載するとともに、寄附した財産の明細書や一定の証明書類を添付することが必要です。
特例には適用除外があります
次の場合はこれらの特例が適用できません。
①寄附を受けた日から2年を経過した日までに特定の公益法人に該当しなくなった場合や特定の公益法人がその財産を、公益を目的とする事業の用に使っていない場合
②寄附または支出した人あるいは寄附または支出した人の親族などの相続税または贈与税の負担が結果的に不当に減少することとなった場合
例えば、財産を寄附した人または寄附した人の親族などが、寄附を受けた特定の公益法人などを利用して特別の利益を受けている場合は、これに該当することになります。
特定の公益法人とは
①独立行政法人、国立大学法人、地方独立行政法人、公立大学法人、自動車安全運転センター、日本司法支援センター、日本私立学校振興・共済事業団および日本赤十字社
②公益社団法人および公益財団法人
③私立学校法第3条に規定する学校法人で学校の設置もしくは学校および専修学校の設置を主たる目的とするもの
④社会福祉法人
⑤更生保護法人
⑥認定NPO法人(特定非営利活動法人のうち国税庁承認を受けたもの)
このように公益法人は限定されています。しかし、公益法人に目的をもって寄附される方には有益な制度だとおもいます。
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金曜日は「相続税をわかりやすく!」を紹介しています。
争族を避けるための基礎知識、相続の権利でよく出てくる問題、節税の三原則などをお伝えしています。
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