相続人が外国に居住していて日本に住所がない場合 ~ これならわかる相続税⑬
金曜日は相続税をわかりやすく!
以前、相続人の住所が国外にあることを利用して、多額の相続税の租税回避を行うケースがありました。これらに対応して、相続人等の住所が外国にあるケースについては制度の改正が行われています。
被相続人の住所から考えるとわかりやすいです。
被相続人住所が相続開始の時に国内にあるとき、「すべての相続人」が納税義務者になります
被相続人から財産を取得した個人は、その国籍、住所の所在の如何を問わず、すべて相続税の納税義務を負います。
したがって、財産を取得した個人の住所が国内、国外のいずれであっても、被相続人の住所が国内にあるときは、すべて納税義務者になります。
(日本での住所が一時的な外国人については国内に住所がないものとみなします。)
被相続人の住所が国内にあるときは、くわしくは次のような課税財産の範囲となります
青い部分は、国内・国外財産ともに課税になります。
白い部分が、国内財産のみ課税になります
例外ケースである、図の①、②、③を説明しますと、次のとおりです。
①相続などで財産を取得した時に外国に居住していて日本に住所がない人は、取得した財産のうち、国内財産だけが相続税の課税対象になります。
②財産を取得したときに日本国籍を有している人で、被相続人の死亡した日前10年以内に日本国内に住所を有したことがある場合は、国内・国外財産とも課税対象になります。
③相続などで財産を取得したときに、日本に住所がある人であっても、その人が一時居住者であり、かつ、被相続人が一時居住被相続である場合には、取得した財産のうち国内財産だけが、相続税の課税対象になります。
「一時居住者」とは
相続開始の時において在留資格(出入国管理及び難民認定法別表第一(在留資格)上欄の在留資格をいいます)を有する者であってその相続の開始前15年以内において日本国内に住所を有していた期間の合計が10年以下である人をいいます。
「一時居住被相続人」とは
相続開始の時に在留資格を有し、かつ、日本国内に住所を有していた被相続人で、その相続の開始前15年以内に日本国内に住所を有していた期間の合計が10年以下の人をいいます。
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